逆転裁判シリーズを全作品(レイ逆も含め)プレイしてきた僕に、一つ心残りがございました。
「大逆転裁判2をプレイしていない!!」
ネットでは
- 「逆転裁判3、検事2レベルの最高傑作」
- 「あの!!巧舟が帰ってきた!!」
- 「1の評価を大逆転した!!」
なかなかの褒めっぷりではありませんか。ブログのコメントでも「大逆転2はプレイすべきです」と熱く語っていただいたコメントもあり、そのご期待に応えるまで半年以上経過してしまいました・・・(すいません)
今回は
DLC以外の本編をクリア
思い出記録による遊んだ時間21時間
という状態でのレビューです。
ちなみにプレイ時間ランキングは
- 1位逆転裁判6 31時間
- 2位逆転検事2 22時間
- 3位大逆転裁判 21時間
おおお~逆転裁判6って特大ボリュームだったんですね。DLCも少し遊んだ記憶がありますけど。
もはや説明不要ですが、大逆転裁判2は大逆転裁判と前後編になっていて、大逆転裁判をプレイしないと、相関関係や2で起こった事件の深刻さや謎が残ったままになってしまいます。逆に一緒にプレイすることで、大量の伏線が残った1が一気に消化されます。丁寧なぐらいにユーザーが疑問に思っていた事柄に
「それは○○がやったことだよ」と明快に解答されます。
今まで、逆転裁判はカプコンの代表シリーズの一つなので、最新作が出るたびに新しい要素を何かしら作ってきました。
本家の6作目は
- サイコロック
- みぬく
- カンガエルート
- ココロスコープ
- カガク捜査
- 霊媒ビジョン
もうシステムのオンパレードです。これは当時、裁判アドベンチャーでライバルに立っていた「ダンガンロンパ」に対して、「ユーザーを飽きさせないためには、魅力的なキャラクターと大量のシステムだ」という結論に至ったからだと思われます。
一方で、大逆転裁判2は何の追加要素もありません。
それどころか、1のキャラクター引き続き登場、BGMも追加はあるが、尋問・追及は変わらずと今まで、変化を続けてきた逆転シリーズへのアンチテーゼのように新要素を排除しました。
その代わり、限られた要素で「謎解きをする」という楽しさを極限まで高めた作品になったといえるでしょう。
巧舟監修の逆転裁判にあるように、法廷パートでは、ねちっこく証人を揺さぶり、ようやく引き出した新しい証言に突き付けたり、「ちょっと」と隣の証人に突っ込んでいく。
「ゆさぶる」ことを主体にした法廷パートになっています。
単にゆさぶった先に現れた証言に新しく出た証拠をつきつけるだけではなく、今まで登場していた既存の証拠の意味合いが変わって、それが有効になる場面が多いです。
何の変哲もなかった、証拠がのちになって驚愕の意味を引き出すという展開は、巧舟ならではの構成力で、舌を巻きます。
最初は丁寧に揺さぶって、先が判明したとしても順序だててつきつめていけないと進めません。これが結構ストレスになるのですが、後半は逆に、その飛躍させた思考をそのままぶつけることが解答になります。(これが謎解きとしての難易度の上昇になっています)
さらに、3Dで証拠をしっかり確認して、情報を更新していくことがさらに重要になりました。新しい証拠をしっかり調べないと打開できません。
写真をルーペでみる、招待状の筆跡や誰が書いたものかの因果関係をしっかり調べる。ただ与えられた情報を使うのではなく、自分が調べて新しい事実を導き出して、論理だてていく。
与えられるシステムが少なくなったからこそ、自分の思考力が試される場面が増えました。今までの作品は数々のシステムで、肝心の法廷パートが逆に薄味になって、難易度が下がったのかもと思うところがあるぐらいです。
総括すると、すごい地味な作品ですが、「アドベンチャーは謎解きだ!!」という原点回帰を求める人には、最高傑作になりうる作品です。
後半になるほど、スサトが愛らしくなり、アノシャーロック・ホームズ(笑)は、どんどん格好良くなって、成歩堂の最高の助っ人になってくれます。(前作は足手まといばっかりでしたけど)
一応、デメリットも書いていこうと思います
まず、ペナルティですけど、ゲームオーバーになっても直前の選択肢、証言に戻すぐらいでよかったのではないでしょうか。アプリ版も発売されていますから。
選択に重さを与えたいという魂胆はわかりますが、どっちにしても、体力を2~3残して、総当たりして、失敗したらタイトル戻って再開って昔ながらの方法はもう飽きたかなぁという感想です。
次に、探偵パート。最後の探偵パートは鳥肌が立つほど格好良かったですが、あの展開とあの手法は3章ぐらいから取り入れてもよかったのでは?と思います。ホームズがすでに答えを知っていて、プレイヤーがミスをしたら補助してもらう。後半のホームズのイケメン度がさらに増します。
最後に、陪審員ですけど。これが大逆転のアイデンティティになっていますので、巨悪に対して、金で買収されようとも、恐喝されようとも、最後は大英帝国の人々の正義の心が勝った!!って終わり方にしてほしかったかな。
権力の腐敗に対して、権力が反省し、解決するって流れも気持ちよくてすっきりするんですけど、結局黒幕は、「自分たちが管理しなければ大英帝国の国民はまた荒んでしまう」っていう傲慢な思考を持っているんですよ。
そこに対して民衆の力で!!まぁありがちですけど。あえてベタを貫くってのも一つの手です。
大逆転2の陪審員って1以上に「我々の意見は一致しましたぞ!!」って有罪にするのが早いような・・・(笑)
・・・というのも僕は、シドニー・ルメットの「十二人の怒れる男」と「評決」っていう陪審員の決定で展開が変わっていく映画がすごい好きだったんです。
大逆転2のラストは、シリーズ伝統で全てのキャラが、隠された真実に向かって、切磋琢磨に協力して糾弾していくってところに魅力があるので、陪審員もそれに絡める要素がほしかったかなぁと思うところです。
あと、これは逆転裁判5ぐらいから言い続けていますが、法廷パート、探偵パートはフルボイスにしてほしい・・・
今回はアニメパートをなくして、3Dパートを作って、そこをフルボイスにしています。でも豪華な声優陣や熱いセリフのオンパレードなクライマックスなので、できることならボイスがほしい・・・人によっては自分のテンポで読めるから自分で熱くなれるって思う人もいるでしょうけど、そこはボイスオン・オフすればいいだけのお話です。
容量とか、予算の問題があるかもしれませんけどカプコンさんどうでしょう・・・?
以上が、稚拙ながら大逆転裁判2のレビューです。
アマゾンレビューにあるようにネタバレを回避すると「すごい面白かった」
ネタバレをしたとしても、すべて解決して掘り下げる要素がすくないので「すごい面白かった」
上述しましたが、システムをいたずらに増やさず、既存のキャラクターでどのように展開を変えていくか、掛け合いをさせていくか、広げていくかの取捨選択が絶妙でした。
数年前から、コンビニなどに「シナリオライターになるための本」みたいな北欧神話の知識をあらかた載せたような本が販売されていましたが、いやいやシナリオライターになりたいならこの大逆転裁判2を3週はプレイすべし!!って言えるぐらい、人を惹きつけるシナリオは何であるかをまとめた一本に仕上がっています。