感染症対策で、風邪やインフルエンザの罹患者(りかんしゃ)が減り、風邪薬の売れ行きがかなり悪くなりました。また、こちらも売り上げが減っているのですが、コデインが主成分の咳止め液、錠剤は相変わらず売れている状態です。今回はあらためて、ドラッグストア店員、登録販売者の立場として、コデインについて取り上げたいと思います。そして、私の視点だけでは不十分なので、ネットの記事や個人発信の内容も含めてまとめてみました。
このブログでは、ドラッグストア店員の筆者がドラッグストアで購入できるおすすめの商品をまとめています。よろしければ、他の記事も閲覧お願います。
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- ドラッグストアあるある 咳止め薬、シロップを複数買いするお客様について
- そもそも、コデインやジヒドロコデインは何なのか?
- 厚生労働省からのガイドラインについて 強い規制があるわけではなく、望ましいなどのお願いベースが現状 店によってコデインの扱いに差がありすぎる
- お願いベースと購入圧力によって、板挟みになるドラッグストア店員という現場の実態について 東洋経済の記事から読み解く コデイン問題
- ネットで得られる情報 コデインのODを警告する海外メディア 個人がOD体験を高らかに語ってしまう問題性
- コデインODの未来 ただ一時の興奮、多幸感を引き換えに、常に近所にドラッグストアがあるという地獄のような誘惑に耐えなければならない可能性が極めて高い
ドラッグストアあるある 咳止め薬、シロップを複数買いするお客様について
ドラッグストアで働くことになると、コデイン、ジヒドロコデインが主成分の咳止め薬、咳止めシロップを、複数買おうと試みるお客様、または1人1つ限定と聞いて、時間差で買いに行こうと試みる、お客様に遭遇することになります。
なかには、家族の分や、常備薬としておきたいという考えのお客様もいるかもしれませんが、多くは、いわゆるOD(オーバードーズ)を目的とした購入です。
筆者もブロン液エースを用法容量を守り、使用した経験がありましたが、気管支喘息が発生している場合は禁忌のため、全く使用していません。
おそらく、咳の症状が出たら、しばらく咳を出して異物を出すように心がけるか、マヌカハニーを口にするぐらいにとどめると思います。
そもそも、コデインやジヒドロコデインは何なのか?
コデイン、ジヒドロコデインには、下記の作用があります
- 各種呼吸器疾患における鎮咳・鎮静
- 疼痛時における鎮痛
- 激しい下痢症状の改善
化学構成上、モルヒネに似ているのですが、鎮痛効果、精神機能鎮静作用などは、モルヒネよりはるかに劣ります。
劣るといっても、それをODによって補おうとするため、毎日のように咳止め液を買おうとするお客様が一定数いるのです。
ちなみにコデインばかりが話題に挙げられるのですが、市販の咳止め薬は、エフェドリン、カフェインといった複数の成分で構成されており、コデイン以外にも過剰摂取が危険な成分もあります。
おそらくODされている人の中には、「俺はコデインだけをとっている」というとんでもない勘違いをされている方がいるかもしれませんね。
厚生労働省からのガイドラインについて 強い規制があるわけではなく、望ましいなどのお願いベースが現状 店によってコデインの扱いに差がありすぎる
厚生労働省からは「「 濫用等のおそれのある医薬品」 の適正販売に向けた販売者向けのガイドラインと関係団体等に向けた提言」 として、注意喚起がされています。
ガイドラインを読む限り
空箱の横に「 当薬局では、販売対象、販売個数等〇〇(保健所や薬務課など)の指導により適正に医薬品を販売しております。」というポップをはったり
防犯カメラの顔認証システムによって、アラームがなるように設定している店舗すらあります。
お願いベースと購入圧力によって、板挟みになるドラッグストア店員という現場の実態について 東洋経済の記事から読み解く コデイン問題
しかしながら、現実は東洋経済の記事で、警告されているように、国側のお願いベースと、客側の「購入させろ」という中で板挟みになっているのが、販売者側であるドラッグストア店員なのです。
最終的には、過剰にODしてしまった使用者側の自己責任によるところが大きいため、本腰を入れるなら、コデイン主成分の商品を要指導医薬品に設定する(ただ風邪薬でもコデインが使われている商品が多いので、パニックが起こる)
劇薬・毒薬のように身分証明書や購入履歴の閲覧を義務付けるなどの、わかりやすい規制がないと対応が後手後手になります。
第1回緊急事態宣言後は、コロナ疲れ、コロナ鬱の影響か、有名なブロン液エースではなく、同じようにコデインを含み、1ミリ当たりの濃度がより濃い、新トニン、アネトン咳止めシロップを求めるお客様も一時的ですが、増えました。
登録販売者試験を合格し、現場経験がある程度身につけば、どれにコデインが含有されているかという知識も身に付きますが、現場経験が浅ければ、大量購入を看過する可能性もあります。
ネットで得られる情報 コデインのODを警告する海外メディア 個人がOD体験を高らかに語ってしまう問題性
試しにyoutubで「コデイン中毒」と検索してみると、BBCによるナイジェリアの若者でコデイン中毒が増えているというニュースがトップにあります。
海外の市販薬と国内の市販薬を並列に語る者ではありますが、このような社会問題に発展する可能性があるよということです。
ちなみに、お近くの国、中国でもこのような報道がされていました。国内の咳止めシロップも、ドラッグストアによりけりですが、どれだけ安くても一本700円前後はします。ソフトドラッグといわれる、タバコやアルコールに比べると、依存してしまうと経済的困難に直結します。
ブログやYOUTUBEでは、コデインをODした体験記を発信している人もいます。注意喚起のための流している人もいれば、残念ながら快楽的というか、自慢げに語っている人もいるのが現状です。
さらにいえば、某知恵袋では「どれぐらい飲めばODできますか?」というとんでもない質問に対して、注意喚起する回答もあれば、「これぐらい飲めば大丈夫ですよ」と回答してしまう人もいます。なかなか倫理観が欠けています。
私は、ドラッグストアでの業務でストレスもたまるし、精神的に苦痛を伴うことも多々あるのですが、咳止め薬を複数買おうとするお客様の挙動だったり、平生を装うとする言動などを見てると、なんともいえない気持ちになります。
コデインODの未来 ただ一時の興奮、多幸感を引き換えに、常に近所にドラッグストアがあるという地獄のような誘惑に耐えなければならない可能性が極めて高い
コデインOD経験者のブログを読むと、興奮や多幸感で、嫌な現実を忘れることを代償に、激しい頭痛や嘔吐、そして異常なほどの身体のだるさを訴える人がいました。
これがもし、違法薬物であれば、反社会勢力との関係をきったり、誰かに監視してもらうことはできるかもしれませんが、市販薬の中毒にかかってしまうと、現代は駅から駅まで3~4店舗以上ドラッグストアがある風景も当たり前になったので、誘惑を断ち切るのは地獄であることが容易に想像できます。
製薬会社からしても、本来は用法容量を守れば、症状を抑える強い味方であることをアピールしたいにも関わらず、一部の間違った使い方をする人によって社会問題になって、後ろめたい気持ちにさせられるわけですから、このコデイン問題に悪人は少ないわけです。(心を鬼にして言えば、危ないとわかっていても辞める努力をせず、あの手この手で買おうとする人になりますが)
このブログでは、ネットやニュースでの報じられ方と現場で働く視点を交えて、コデインを多角的に語りました。
多角的に語りましたが、結局は「気を付けて販売しましょう」という結論にしか至れないのが、現状です。
民法のニュースであれば、CMに製薬会社のスポンサーがついていることもありますし、芸能人のドラッグスキャンダルは報じられますが、多くの一般の人にとっては縁のない話になります・・・
市販薬の中毒、ODについては、未成年者の割合が増え、女性の使用率も高いというデータがあります。今後も新しい情報やデータがあれば、発信していきたいと思います。