米国株に関する税金についての記事になります。配当金や外貨決済で余った外貨を放置して、為替レートが変わった場合、為替差損益が発生します。為替差益が大きければ、雑所得として確定申告の必要があります。
外貨で保持し続けると、為替レートの影響を受けるばかりでなく税金を納めるリスクもあるわけです。
そこで、配当金や取引で余った資金を外貨建てMMFという投資信託に特定口座(源泉徴収あり)で預けるという方法があるのですが、この方法に1つ落とし穴があります…
国税局への質問の結果も交えて、ブログで知識を共有していきたいと思います。
※この記事は2020年2月26日時点の内容で、一般的かつ原則的な内容を含んでおります。個別で気になる点、税に関する疑問がある場合、お近くの税務署、税理士、国税局へ質問願います。筆者は税理士ではないため、いかなる質問も受け付けることができません。
このブログでは、年収300万円の筆者が株やクレジットカードの金融リテラシーについての情報を発信しています。よろしければほかの記事もよろしくお願いします。
※このブログは2023年11月21日に更新しています。
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ブームとなっている米国高配当株、米国株における注意点 外貨決済と配当金の受け取りによる為替差損益
ここ数年、積立NISA、iDeCo、そしてコロナショックによる金融相場の到来により、多くの人々が証券口座を作り、投資を実践しています。
日本人でも、楽天証券、SBI証券、マネックス証券をはじめとした国内の証券会社から米国株や米国ETFを利用して、米国株を持ち、株の所得や配当を得ている人が多いです。
YOUTUBEやブログでも、米国株の始め方、高配当生活の実践方法をレクチャーした人々が台頭しており、株というのは、一部の人が行うマネーゲームではなく、一般層も行う趣味や第2の貯金という側面が強くなりました。
一方で、米国株を行ううえで注意するポイントがあり、それが為替差損益になります。
おけいどんさんのnoteによると、国税局の見解として、米国株を利益確定して、外貨で保有している間に為替差損益が発生したり、米国株の配当でドルとして口座に振り込まれ、保有している間に為替差損益が発生したりした場合、為替差損益を認識し、確定申告の必要があります。
私も国税局へ為替差損益について質問したのですが、為替差益(プラス)は雑所得扱いであり、給与所得以外の所得と合算して、20万円を超える場合は確定申告が必要です。さらに、20万を超えずとも利益が出ているのならば、住民税で申告の必要があります。
逆に為替差損(マイナス)が発生した場合は、黒字の雑所得から控除されます。
【外貨預金】為替差益に税金はかかりますか? auじぶん銀行より
米国高配当株の落とし穴 為替差損益という落とし穴
楽天証券をはじめ、主要の証券会社について調べましたが、米国ETFや米国株の配当金を受け取る場合は、ドルで直接受け取ることになります。2021年3月現在、証券会社が即座に円転してくれるサービスや、外貨建てMMFに預け入れてくれるようなサービスは実施されていません。
そのため、何も知らず、米国株の配当を受け取り続けるとドルを持ち続けるということになります。一般的な為替リスク・リターンはもちろん、為替差損益を意識する必要性もあるのです。
ブロガーやYOUTUBERの中には「ひたすら積み立てていくのだから、ドルのままで保有しているから問題ない」という考えをお持ちの方もいらっしゃいますが、いずれ円転して使用する必要性がありますし、長期間配当金をもらい続けていくと、為替取得平均レートを算出するのが、面倒になります。
また
「どうせ為替差損益が出たとしても少額で20万超えることはないのだから気を付ける必要はない」
という意見もあります。私の場合はブログやアフィリエイト収益もあるため、少額の雑所得でも意識する必要があります。雑所得なので、為替差損益のみならず、他の収益との合算です。
仮にあなたが、米国株に長年投資をし続けていたり、FIRE(セミリタイア)を信じて、ほぼ財産のすべてを高配当株に投資していたとするなら、計算してみると馬鹿にならない金額になっているかもしれないので、意識はすべきだと考えています。
配当金を外貨建てMMFへの即日入金は解決策になるのか?
ZAIの記事によると、NISA口座、または特定口座(源泉徴収あり)で米国株の取り引きをすべて円貨決済(売買すべて)にすれば日本円からドルへの両替が同日中に行われていたら、為替取引による利益は発生しないものとしてみなされるとのことです。
外貨取引に比べて、円貨取引だと手数料が余分にかかります・・・無暗な売買は避けねばなりません。
そして、解決策として外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)へ外貨や配当を受け取った当日中に入れる。
外貨建てMMFとは、格付が高い、短期の国債や地方債、社債などで運用される投資信託になります。名前の通り、外貨で購入することができ、証券会社によって基準は異なりますが、比較的少ない単価から投資することができます。
外貨建てMMFは投資信託扱いであり、特定口座(源泉徴収あり)で取引されるため、譲渡益や分配金は、確定申告の必要がありません。(国税局に確認済み)
これで、配当金がドルで支払いされても、入金日さえ気を付ければ何も問題なく、枕を高くして寝られる・・・そう思ったのですが。
楽天証券の口座明細(精算履歴)を確認してみると
メールの通知や、入金日として記されたappleの配当は16日で、入金日に確実にMMFへ全額移行しました。
それでも、約定日、受渡日ともに1日ずれてしまっているので、少額であっても為替差損を認識する必要があります。
実際に国税局に確認しましたが、受渡(550円)からMMF支払い時にドルの価値が561円になったので、この差額を為替差益として認識するのが、原則とのことです。
受け取った時の配当のドルの価値より、支払ったときのMMFのドルの価値が上がったということで、為替差益として認識されるということです。
ただし、原則はそうですが、実際に入金日に即座にMMFに移行したのであれば、国税局が詳しく差額を追求することはないとのことです。これはあくまで私が質問した国税局相談員の見解であり、税理士やほかの国税局相談員によって見解は分かれます。気になる方は税理士、あるいは国税局に直接連絡してみてはいかがでしょうか?
他の証券会社はわかりませんが、楽天証券の場合は、配当金を受け取ったのちに、即座にMMFへ入金したとしても1日のラグが発生することがわかりました。
外貨取引の解釈の紹介 TTM(仲値)の為替レートの適用について
ただ、この楽天証券の受渡金額は、受け取りが(TTB)、支払いが(TTS)の表記になっています。過去に外貨で米国株を取引きしたとき、同日であっても受け取りと支払いのレートがかなり開いていたので、表記方法に気づきました。
TTBというのはその日の為替レートの仲値(TTM)に手数料を上乗せした金額、TTBは逆に手数料を引いた金額になります。
ただ、そうなると今回のように、同日に入金、MMFへ入金したとしても、為替差益が絶対に発生するのではないか?私と同じような疑問を持った方が、税理士ドットコムに質問を投稿され、いくつか回答されている税理士の方がいらっしゃいました。
(無料で会員登録することで、みんなの税務相談の税理士による回答をみることができます)
※今回は私個人の事例であり、個別によって解決策や対応策は異なるため、各々が税理士ドットコムや国税局の相談により、解決してください。
税理士ドットコムの回答や、他の税理士の方の情報発信を参考にした結果、外貨取引の円換算を参考にして
57の3―2 法第57条の3第1項((外貨建取引の換算))の規定に基づく円換算(同条第2項の規定の適用を受ける場合の円換算を除く。)は、その取引を計上すべき日(以下この項において「取引日」という。)における対顧客直物電信売相場(以下57の3-7までにおいて「電信売相場」という。)と対顧客直物電信買相場(以下57の3-7までにおいて「電信買相場」という。)の仲値(以下57の3-7までにおいて「電信売買相場の仲値」という。)による。
おいおい、楽天証券の精算履歴はTTSやTTBしか記載していないじゃないか?どうやってTTM(仲値)を求めるんだい?と思いの方もいらっしゃるでしょう。
楽天証券はTMMを公表しているのか? 調べ方と使い方
他の大手メガバンクもTTMを公表していますが、取引している証券会社でTTMが公表されている場合、そのTTMを参考にすると引用先で記載されていました。そして、楽天証券はTTMを公開しています。
(1999円から2020年までのTTMレート)
いやいや、今年とか直近のTTMレートが知りたいんだよ!!という人にも
はい、これで楽天証券のTTMを調べることが可能になります。
今年はブログ収益が減っており、経費が増えていて、絶賛マイナス中ですが、何か転機が訪れて、プラスになったら、為替差益も雑所得に加えていきます。
あと、2020年は預り金や配当金があったのですが、円高ドル安になる以前に集中しており、私個人で計算した結果マイナスでした・・・確定申告した後だったので、プラスになっていたら訂正申告の必要があっただけに肝を冷やしました。
米国高配当、米国株の注意点 リスク管理と知らなければ損すること
さて、米国株にいち早く投資して、リタイアしたいとか、資産を築きたいという人は、稼げばいい、どんぶり勘定てきな人は少ないのではないでしょうか?
おそらく周りに比べて、繊細だったり、将来を気にするため、不安症な一面があるでしょう。
今回紹介したように、米国高配当株や米国株は、特定口座(源泉徴収あり)でやっているから何も考えずに、ポートフォリオを組んで、マネーマシーンを形成すればいいんだという単純なものではありません。
ちなみに為替差損益を考えなくていい方法として
(資産運用、形成の聖書といえる一冊)
- 配当分を自動的に投資して、即日譲渡で完結している投資信託(インデックス投資)などを利用して、高配当ETFは利用しない
- 配当のでる株は、国内株に限定して、米国株は配当のないものを選択する
米国は基本的に、利益を配当として、株主に配布するというよりは、さらに設備投資したり、自社株買いにより株を上げた方が、喜ぶだろうという考えであるため、配当がなくても優秀に右肩上がりの株が多いのです。
余談ですが、私はバフェットの購入した国内の商社株をいくつか買ってみようと考えています。
仮想通貨のように知らないことで、思わぬ落とし穴があるのです。
税に関して、疑問がある場合は専門機関、タックスアンサーなどを活用しましょう。
※今回の記事は、国税局の回答、条文、基本通達、タックスアンサーをもとに構成されています。個別に事例によっては、適用されないケースもあるため、疑問や質問がある場合は、国税局の相談窓口や、お近くの税務署にご相談願います。
配当の為替差損に悩むのであれば、楽天証券を使えばいい
私が楽天証券をメインで使っているから、ポジショントークではないんですが
なんと2023年の5月から、米国配当金を円貨でいきなり受け取ることが可能になりました。
他の米国株を再投資されるのであれば、外貨で受け取ることもありでしょうし、円安の時代なのでドルで保有したいという考えの人もいるでしょう。
一方で配当によるキャッシュフローの恩恵を受けたいという人にとっては、円貨ですぐに受け取ったほうがいいという面もあるでしょう。
2023年11月現在、他の証券会社で同様のサービスは見られません。
しかしながら、SBIやマネックスという有名ネット証券も追いつき追い越せっといわんばかりにやっていく可能性はあるでしょう。
余談ですが、現在ポイントインカムなどのポイントサイト証券口座を開設すると、5000円近辺でポイントをもらえます。楽天証券も同様なので、証券口座の開設を検討されている方は、ポイントインカムからの開設がおすすめです。
参考・引用 サイト、ブログ
預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い
【国税局見解】米国株投資 待機資金の為替差益は認識必要、確定申告するか外貨建MMFに移行するか
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