PSの看板ソフト、アストロボット
前回は、ストーリークリアまでのレビューを行った
ステージクリア型アクションゲームにおいては、現代最高傑作という作品であることは疑いはないが、今回は、コストパフォーマンスについて語る記事になっている。
下記が、クリア後にそのまま書いたレビューになります。今回のサブコンプレビューと結構落差のある内容になるので、比較して読んでいただけると面白いかと思われます。
2024年ソニーはアクションゲームの完成系を発売してしまった アストロボットクリア後のレビュー クリア時間の不満は? なぜアストロボットは面白いのかを言語化
アストロボットはファミリー層に届いていないかもしれないという考察
アストロボットの初週売り上げは、メタスコアやネットの評判と異なり、ソフト実売数が12000本と一見、寂しい数字になっている。
世間のゲーマー、特にライトユーザーはメタスコアを受けて購入することはあまりない。
さらに、アストロボットが訴求したいファミリー層が果たして買うかどうか?
仮に私たちが、学生だったとして親にPS5とアストロボットを両方ねだれるか?といったら難しいだろう。それならswitchやスマホで手軽に遊べて面白いアクションゲームを購入するだろう。
IGNJAPANでも話されたが、結局ゲーマーの親の家庭でたまたま子供が遊べたアストロボットに熱中できているという構図になっている。
もちろん、ゲームに厳しいゲーマーに最高の評価を下されているから、アストロボットは素晴らしい作品なんだが…
アストロボットの7980円は高いのか? 現代のゲームの販売システムの問題点
アストロボットは発売して間もなく、ネットで評判になり販売店では売り切れ、Amazonでも1~2週間先になっていた。
この記事を書いている9月20日現在でもアマゾンは中古品ばかりで、楽天でもクリックしてすぐには届かない。
筆者は2024年絶対に遊ぶべき作品だなと思って、期待も込めてデラックス版を購入したのだが
現代のゲームは、基本プレイ無料で優秀な作品や、買い切りゲームでも100~200時間遊ばせるゲームが珍しくない。
逆に濃密だがプレイ時間の短いゲームは、中古市場に流れやすいリスクがある。
プレイ時間が短いということはリプレイ性が高いといえるのだが、アストロボットを一周どれだけ早くクリアしようと思ってもたぶん5時間程度はかかる。
押し入れにしまったままやらない可能性が高い。
もし、アストロボットを安く遊ぶのであれば、メルカリなどで購入して、クリアして不要になって売ると実質2000~3000円ぐらいで遊べることになる。
さらに、ファーストパーティーの作品なので、PSのゲームカタログ(エクストラ以上)で半年から1年待てば遊べる可能性も高い。
ゲーマーにとって、アストロボットは素晴らしい作品だが、学校や職場にアストロボットを知っていて、一緒に遊んで情報交換できる人がどれだけいるだろうか?
ちなみに、ゲーマーの知人(主にPCゲームでFPSが好き)に聞いてみたが知らなかったみたいだ。
アストロボット クリア後の虚無感とステージの問題性
アストロボットをクリアした後も、取り残したボッツ、未開放のワープゾーン、ピースなどをすべて回収した。
そこである問題に気付いた。
(隠しステージだからといって、普通のステージの延長線上のギミックや背景はまったくないのがすごい)
どれだけ遊んでもわくわくせず、ボッツを回収する作業だけになってしまった。
クリア前にあれだけワクワクしながら、目を輝かせてプレイしていたのに、すごい落差だ。この落差に自分自身ショックを隠し切れない。
(1週目は、こんなところにボッツがいたんだ~と驚いたり、喜んだり、悔しがったりした。2周目になると作業になってしまい、徒労感のほうが勝るということに・・・)
確かにボッツやピースの位置をしらせる仕組みがあるのはすごい便利なんだけど、本当に回収するだけだった。
さらに、隠しステージもボッツやピースの未回収分を収集する役割にしか思えなかった。確かに隠しステージにふさわしいギミックが盛りだくさんだったのに…
一週目はボスに挑むため、ステージをクリアするためにボッツの回収は必要だったが、ステージをクリアすれば次のステージが解放されて、ステージをクリアするだけでもモチベーションが保たれていた。
しかし、クリア後は、ステージをクリアしてもボッツやピースが未回収だとなんだか損した感じがしてしまった。
また、ボッツたちのアクションを増やすためにクレーンゲームをやるのだが、1回100コインをいちいち投じるアクションが入る。10連とかできない仕組みになっている。引き続ければコンプリートしやすいからいいけど。
おそらくDLCでステージが追加されたとしても、初期に体験した感動や興奮がよみがえることは難しいと思う。
しかし、DLCが販売すれば、無料のものも今後有料であってもチームアソビを応援したいので、購入したいと考えている。
ゲームの価値とプレイ時間について
レビューサイトで好評だったとしても、世の中の9割9分のプレイヤーは、メーカーや会社からソフトを提供されるのではなく、自腹でゲームを購入する。
そして、多くの消費者は少ないお金で、莫大な時間を遊ばせてくれる、楽しませてくれる作品を求めている。
(すべてのボッツ、ピースを集めてたどり着ける最後の試練。文字通りなかなかの難易度を誇っている)
私はゲームに関しては、限られた人生なので、1つでも多くのゲームに触れたい遊びたいと考えるから、理想としてはクリア時間は20時間だけど、プレイヤーによってやりこめば100時間ぐらい遊べるようなソフトが好きだ。
それこそ、昔のゼルダの伝説のような作品だ。現代だと普通に1週をクリアするだけで50時間ぐらい求められる作品が増えている。
(ボッツの反応を楽しんでいる。龍が如くの桐生は叩くと、龍が如くに関連するアイテムをポケットから吐き出す。ドラ〇もんかな(笑))
確かに、初代PSのころはソフトが5800円とかで売られていて、クリア時間が10~20時間なら、PS5の9800円ぐらいのソフトなら、40時間ぐらい遊ばせてくれないと割に合わないというプレイヤーもいるだろう。
そう考えると、アストロボットは現代では珍しく、クリアまでの5時間は本当に濃密で、贅沢なゲーム体験ができるが、その興奮はあまり続かない作品になっている。
任天堂も、マリオオデッセイ、カービィのディスカバリーと探索アクションなどを取り入れたり、ライトに遊べるアクションゲームを作り続けているが
動画映えしたり、毎日少ない時間で長く遊べるオンライン作品やゼルダのティア金のような方針へ転換している。
switchは携帯ゲームの側面もあるため、ベッドに横たわってだらだら遊ぶこともできるけど、PS5になると基本的にゲーミングチェアに座って、モニターと対面して遊ぶから、プレイ時間に対して結構意識することも多い。