現在野球界をざわつかせている、元日本ハムでMLBに挑戦しましたが、一年で日本球界に戻ろうとしている上沢直之投手に関して、ソフトバンクが獲得に動いているという点です。
そもそも有原式FAとはなにか?
有原式FAについてはなんJ用語集でかなり詳しく解説されています。
有原式FAが一部のファンから批判されている要因として、ルールにのっとった獲得をしているのですが
ソフトバンクがポスティングを容認しない球団ながら、ポスティングでMLBに送り出されてNPBに戻った選手を獲得しているという感情面で問題にしている人が多いです。
プロ野球選手にとって、稼働できる期間は限られているので、金銭や環境にこだわるのは当たり前のこと。
また有原がソフトバンクに移籍するタイミングは新庄監督がビッグボスとして日本ハムの監督になるタイミングであり、リーグ優勝を考えるとソフトバンクで投げたほうがいいという判断もしたのでしょう。
有原にとって不運だったかどうかはわからないが、FAと違ってポスティングの出戻り時の球団交渉がすべて明るみになっていないので、ソフトバンクの提示はわかるが、日本ハムからどのようなオファーがあったかどうかは不明。
日本ハムのオファーがあまりにもソフトバンクとかけ離れていた場合、まだ一定の同情が有原に集まっていたように思います。
またFAと記載されていますが、正確にはFAではなく、FAした選手のランクに応じて、金銭や人的補償なども発生しません。
ソフトバンクにFAした近藤選手の人的補償として、日本ハムに移籍した田中正義は、クローザーとして活躍しています。
ソフトバンクは上沢に対してどれぐらいの契約をオファーできるのか?
ソフトバンクは、右の先発投手だった石川がロッテへ移籍して、Cランクだったためロッテから人的補償で補強することもできませんでした。
またストーブリーグで一時期再注目だった中日のライデル・マルティネスを1年12億で獲得か?という報道も出ていましたが、こちらも現在では流れているようです。
ベテランの和田も引退し、まだ30歳の上沢をローテーションに組み込めイニングを消化してくれるなら
和田の2億、石川の1億2000万を使って、3億ぐらいのオファーを提示できるのではないでしょうか?しかもそれが2,3年であれば上沢としては断る理由はないですからね。
もちろん本気でソフトバンクが獲得に乗り気であるなら、さらに契約条件は良くなる可能性があります。
一方で、日本ハムですが、ソフトバンクに比べるとチーム総年俸はかなり低くなっており、日本人投手で最高額が、先発の加藤の3億円。加藤はFAの噂があったもののチームに残留したことで、好条件の契約を獲得できました。
複数年規定投球回を投げ切り、今シーズンは2桁勝利です。上沢選手も加藤選手並の成績を残せる可能性はあるものの
さすがにポスティングで強引にマイナーにいってすぐ帰って、いきなり年俸3億の複数年はちょっと可能性が低いですね。
日本ハムとしてはよくて送り出したときの1億7000万に近い1億5000万~2億あたりが限度なのではないでしょうか?そうでなければ選手たちへの示しも付きませんからね。(あくまで推定年俸なので本当に重要な選手は推定年俸よりさらに重ねて渡しているかもしれません)
上沢はソフトバンクに移籍した場合、有原と同程度の成績をおさめられるのか?
有原はソフトバンクに移籍したここまでの2年間、勝利数は2桁と一見して、日本はム時代とそこまで大きく変わらない成績をおさめていますが
防御率はともに2点台前半と非常に優秀。
特に素晴らしいのは投球回で182イニング以上投げており、これはパリーグ最多、さらに自己最多の投球回で、これだけ投げながらも防御率もリーグ4位というこで、間違いなくパリーグ屈指の先発投手
何が一番すごいかというと、日本ハム時代は投手有利の広大な札幌ドームで、ソフトバンクではテラスがあり、打者有利のペイペイドームで被本塁打と防御率が過去ベスト記録であるということ。
もちろん、ソフトバンクの打者相手という相手のプレッシャーとか、福岡の熱狂的な応援とか、今回が飛ばないボールだったとかいろんな要因があるが
純粋に成績は成績として評価する
一方で、上沢だがこちらもNPB最終年の2023年は打者有利なエスコンにかわっているが、成績は9勝9敗でいままでよりそこまで下がっていない。
規定投球回も2021年から3年連続でクリアしている。
懸念点としては防御率がほぼ3点台という点であり、この点を踏まえると打撃力が圧倒しているソフトバンクに移籍したほうが、勝星や成績に直結する可能性が高い。
まだFA去就が決着していないが、甲斐が残れば、リードの安定性も増す。
まとめ 現在の上沢の選択肢について考える
いろいろまとめると
- 日ハムに戻って、年俸はポスティング前と大きく変わらないが、新庄監督を胴上げさせて、エスコン初優勝という偉業のために頑張る
- ソフトバンクに行って、多少のブーイングはあれど、有原やソフトバンクというチームにも他球団からはブーイングはされるだろうから、それさえ我慢すれば高い年俸と強力な援護打線がある環境で自分の成績を伸ばせる
- 心機一転して、セリーグの球団に入って、今後の野球人生の可能性を広げることを模索する。
こればかりは上沢の立場にならないと永遠にわからないが、ここからは勝手な妄想
私が上沢なら、ソフトバンクとできるだけ長く契約年数をとって契約すると思う。野球選手にとって契約年数は保証であり重要なので
そのため3年12億と4年12億だったら、後者かつ出来高払いとかのほうがいいかなと思ったりする。
ソフトバンクの施設の素晴らしさだったり、有原や近藤といったチームメイトもいるし、なにより有原は自分と同じような境遇でありながら、NPBに復活して、パリーグ屈指の先発として舞い戻っている。
これがもし有原式FAではなく、上沢式FAと考えると及び腰になるが、先駆者がいるという安心感は計り知れないものがある。
また話は戻るが、選手にとって年俸は最も重視すべき評価なので、義理人情で戻ることも重要だし、義理人情を働くことで日本ハムの加藤のように安定した契約と年俸を手に入れることもできるが、そのためには日本ハムに戻って、ポスティング前の成績をしっかり上げる必要がある。
ここ最近のソフトバンクについて思うこと
筆者はオリックスファンで、ソフトバンクについてはライバルであり好きなチームではもちろんない。
過去の日本シリーズはパリーグ代表として多少応援していたものの、近年のソフトバンクの有原、山川の獲得の流れから、今回の日本シリーズは横浜を応援していた。(オリックスも森、西川と獲得しているから他球団のことは言えない)
ソフトバンクが上沢についてこだわるのは至極当たり前のことで、石川と和田を失っているから、あいたポストと給与を上沢にかけられるという話だ。
もちろん孫社長が本気で運営するなら、メッツレベルの補強もできる可能性はあるが…
オリックスにも言えることだが、ポジションをFAや外国人で補強しようとすると、ドラフトやファームで育てている若手選手の可能性がなくなり、持て余してしまう危険性がある。
ここであえて危険性と記載したのは、チームが高齢化になって弱体化する恐れと、日ハムの水谷や田中のように同リーグ球団に入って活躍されて脅かされるおそれがある。
リチャードを手放せないのはそういう事情があるからだと思う。
オリックスにしたって、森がキャッチャーをやるより、若月がメインとなって、森が外野やDHで打者専してくれたほうがいいだろうし(DHはむしろベテランで勝負勘のある選手の方がいい)
西川も2年目で今年と同じような成績なら、守備をあまり必要とされないレフトであの成績はフル出場でもつらいものがある。
結果論だが、ソフトバンクがあれだけ日本シリーズで勝てたのは、セカンドで浅村(楽天)を先発で西(阪神)をとれなかったから、若手を育てざるを得ない状況になって、競争の中で勝ち上がった選手が結果を残した
遠回りに見えて、実はそれが戦力を補強する一番の近道だったということだ。
というわけで、ソフトバンクが上沢をお金をかけてとるのは合理性があるし、飛ばないボールが使われるのであれば、イニングイーターできる投手をとる価値がさらに増す。
一方で、工藤監督時代の強さに戻るためには、競争、若手をテーマにやっていくしかない。
しかしそれはオリックスにも同様に言えることなので、個人的にFAや30歳以上の選手の獲得は本当に難しい。
巨人の小笠原、ラミレス、杉内時代のような大大大補強ができるなら数年強くなっている間に若手の突き上げもあるだろうが…本当に難しい。