さて、テイルズオブアライズをクリアしたので、さっそくレビューをしたいと思います。今回は戦闘とシナリオに分けて評価していきます。
すでに戦闘面もシナリオ面も高い評価を受けており、ファンによっては「シリーズ最高傑作ではないのか?」とささやかれていますが・・・
テイルズオブファンタジアからジアビスまでのマザーシップタイトルを一通り遊んだ私の経験から、アライズのキャラクターとシナリオについて、評価していきます。
また、この記事は、公式の動画ポリシーを遵守し、動画ポリシーで指定されているシーン以降の画像は使用しません。ただし文章でのネタバレは行うつもりなので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推奨です。
このブログは、最新ゲームのレビューを行っています。テイルズオブアライズについてはいくつか記事を書いているので、よろしければご覧ください。
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テイルズオブアライズ クリア時間とシナリオのボリューム
クリア時間はおよそ27時間でした。サブイベントを網羅するともう少し遊べそうです。
近年のRPGは5~60時間ぐらいは平気で超えてくるのですが、テイルズオブアライズは過去作の流れを含め、コンパクトにまとまったストーリーだと感じました。
テイルズオブアライズのストーリーは2部作になっていて、ダナ編とレナ編に分かれています。
ダナ編は、主人公のアルフェンとシオンが出会い、ダナの各地でダナの領民たちを奴隷にして、星霊力というエネルギーを搾取しているレナの領将(スルド)を倒していき、ダナを解放していく話です。
後半のレナ編は、シオンがなぜ同胞のスルドを倒すかという理由が判明し、ダナとレナの成り立ちや、主人公アルフェンの出自などの謎が解明されていきます。
本格的にダナを破壊しようとするレナの中継地点のレネギスにいくことで、一行はあまりにも衝撃的な真実を知ることになります。
前半のダナ編は、専門用語がほどほどで、目的もはっきりしており、スキット、ムービー、戦闘のバランスが絶妙でした。前半の展開と遊びやすさでいえば、過去作で一番だったかもしれません。
一方で、後半のレナ編は、世界のネタバレといった要素が強く、ムービーやスキットが強制的に長くなっていきます。
いろんなロケーションをしっかりみせてきたダナと違い、レナ編でいける場所は限られており、さらに外観もあまり変わりません。
テイルズオブアライズ ストーリー 過去作に似ている点と比較
2つの世界、2つの種族という点では、ファンタジア、エターニア、シンフォニア、リバースといった過去作に近しいものを感じます。
目的が明確で、突き進んでいく勢いの良さはシンフォニアを思い出しました。
支配による差別だったり、憎悪などの要素はリバースに近いものがあります。
流れとしては、序盤はリバースとシンフォニアに近く、最後はなんだかファンタジアを彷彿とさせる物語で、原点回帰といっても間違いないかなと思いました。
後半のOPが絢香さんが、My Little Loverの「Hello, Again 〜昔からある場所〜」をカバーされています。
ちなみに原曲は、1995年にリリースされており、テイルズ初代のテイルズオブファンタジアのスーパーファミコンソフトが世に出たのも、1995年です。
テイルズオブアライズのストーリーの良かった点と悪かった点
アライズのストーリーについてよかった点と悪かった点をまとめたいと思います。
まず、良かった点ですが、キャラクターそれぞれに重たい過去があって、それを乗り越えようとする意志が見えます。どのキャラクターも癖があまりなく、純粋に応援できるような常識人ばかりなので、誰が見ても違和感のないキャラ設定になっています。
逆に悪かった点ですが、ラストが少しわかりづらかったと思えたところと、本当に重要なのは、黒幕を倒し、もともと1つだったレナとダナが、意図的に作られた支配構造によって軋轢がうまれるわけですが、その壁をどのようにして超えていくか?という点で、そこが描かれていなかったのが、惜しく感じられました。
ただ、今回は、アルフェンとシオンのラブストーリーでもあるわけで、実はややこしいSF設定などは、アルフェンとシオンが強く結びつくための外枠でしかないわけです。
そのため、今までのテイルズにあった復讐、ファンタジー、SF、王国物といった固定観念はすてて、純粋にアルフェンとシオンのラブストーリーとして見ていくと、すんなりと感情移入しやすいのではないでしょうか。
テイルズオブアライズ キャラクター評価とまとめ
さて、最後にテイルズオブアライズのキャラクターの評価をしていこうと思います。
アルフェン
CV 佐藤拓也
ダナの奴隷として、鉄仮面をつけていた青年。出自も不明で、記憶もわからない。そんな彼が、レナ人のシオンと出会うことで、自由を求めレナのスルドとの戦いに身を投じます。
おそらく、テイルズシリーズで最もハードな人生を送り、レナでもダナでも散々な目に遭い続けたキャラクターになります。
しかし、ハードな人生に関わらず、性格は聖人そのもので、パーティのまとめ役だったり、率先してキャンプ中に仲間に話しかけたりとコミュニケーション力が高いです。
長い奴隷人生のため、恋愛に関しては億劫で、シオンの気持ちが伝わらなかったり、逆に周りから見れば、ストレートな告白をためらいなく言えるところがあります。
シオン
CV 下地紫野
ある理由でレナを裏切り、アルフェンとともに己の目的のために、スルドを倒していく。
物心ついたときから、荊(いばら)という呪いにかかっており、シオンに触れるものは激しい電撃を浴びてしまう。
いつの間にか、シオンは周りから拒絶され、自分も孤独に悲しみ人とのかかわりを避けるようになります。
3Dスタッフのシオンの表情に対する入れ込みは凄まじく、PS2などでアライズが出ていれば、あまり魅力を感じないキャラだったかもしれないと思うぐらいに、シオンのグラフィックは傑作といえます。
演じた下地さんは、ゼノブレイド2でホムラとヒカリを演じ分けたのですが、シオンもヒカリに近い声質ですが、全く違って見える演技なので、本当に素晴らしい女優さんで、今後の活躍に期待です。ペルソナやドラクエにも出てほしい。
かなり早い段階から、アルフェンにデレております。アルフェンの身体と心両方の包容力に惹かれているのです。
おもえば、テイルズのヒロインというのは、主人公と幼馴染だったり、出会ったときから惹かれている状況が多いので、男性プレイヤーであっても疑似恋愛するような対象にあんまりならなかったりします。
リンウェル
CV 原 紗友里
ダナ人でありながら、魔法使いの一族で、聖霊術を使用することが可能。
ただ、魔法使いだったということもあり、人里離れ、肩身の狭い生活を強いられてきました。さらには一族をレナのスルドの1人、アウメドラに殺され、復讐のために生きるキャラクターになっています。
ちなみに、テュオハリムで語りますが、アウメドラの策略とムービーは、アライズ屈指のトラウマシーンとして、語り継がれると思います。
復讐といえば、レジェンディアのクロエが有名ですが、リンウェルは、聞き分けがいいので、1人で離反して復讐の鬼になるということもないですし、周りに諭されて冷静になることもできます。おそらくテイルズ屈指の良識人です。
パーティの中では、一番年下に見えるリンウェルですが、空気を読む能力だったり、ボキャブラリーは豊富です。
ロウ
CV 松岡 禎丞
声優の松岡氏は、テイルズオブエターニアの主人公リッドを演じた、石田彰氏に憧れて、声優を目指したらしいです。
真面目な人物が多い、アライズのメンバーの中では比較的お笑い担当で、表情豊かな人物です。
幼少期から反乱に人生を捧げた父によって、母を失い、父を恨んでおり、父の命を奪うために、レナのスパイに入るなど、アルフェンたちと対立した状態から出会います。
父の決意と死により、ダナ解放のためにアルフェンに協力します。
メンバーに入って以降は、自分のせいで父が死んだかもしれないことを重荷に感じながらも、運命に立ち向かっていきます。
感想として、父の死というのがロウ最大のイベントで、それ以降はリンウェルに淡い恋心を抱いている・・・以上の属性がなく、パーティのムードメーカーであることが多かったです。もう一波乱、ロウのエピソードが欲しかったなと思います。
キサラ
CV 池澤 春菜
料理が好き、釣りが好き、盾持ち、美女、豊満なバストといった、属性もりもりのキャラクター。
第3のスルド、テュオハリムに使えるメナンシアの親衛隊。実直で、生真面目すぎる一面もあります。
メナンシアはテュオハリムの方針で、圧政をしかず、ダナは一般的な労働者として扱われていました。
しかしながら、スルド同士の争いに参加せず、レナの王になろうとしないテュオハリムに嫌気がさした側近が結託し、暗躍することで罪のないダナ人の命が、秘密裏に奪われてしまいます。
その真相をつきとめた、キサラの兄ミキュウダの命を懸けた訴えにより、テュオハリムは、アルフェンに加わり、スルドとして、レナ人の統一とレナとダナの真相を追求していきます。
ミキュウダの死は、妹のキサラにとってあまりにもショッキングで、一時期、テュオハリムを拒絶しますが、主従関係ではなく1人の人間として、テュオハリムと冒険することを決意します。
彼女もロウと同様に、身内の死を乗り越えた後は、パーティの精神的支柱になっていきます。というより、アライズのキャラはシオン以外、みんな精神的支柱をつとめられるんですよね・・・シオンも別に発狂したりしないですし・・・
リバースのような、各々のキャラが荒々しかった時代が懐かしい・・・
テュオハリム
CV 加瀬 康之
CVの加瀬氏は、youtubeにて、テイルズオブアライズのプレイ動画を公開中です。
ある意味、本作の主人公かもしれないキャラクターで、スルドの1人。ただ彼が目立ちすぎてしまうとアルフェンが空気になって、FF12のヴァンとバルフレアみたいな関係になってしまう。ちゃんとアルフェンは主人公しているので、ご安心を
スルドであることを義務付けられ、音楽をこよなく愛したが、スルドを決定するために親友の命を奪ってしまい、その親友のフィアンセの叫び声がトラウマになっている。
そのため、彼がダナとレナを共存させる理想郷を作ろうとしているとキサラは考え、仕えていたが、テュオハリムは、人の叫び声などを聴きたくないという後ろめたい理由で、放任主義をとっている。
このそれぞれのキャラのすれ違いだったり、テュオハリムのトラウマからくる行動原理は、アライズのストーリーをより一層、深いものに感じさせてくれます。
他のキャラが、ダナ編でトラウマを克服したり、ストーリーの山を迎えるのに対し、テュオハリムは、レナにうつっても彼のトラウマとの決着や、いままで信じてきたものが、崩壊する様を目の当たりにします。
登場してから、最後まで悩み、成長していくキャラとして描かれています。
ヴォルラーン
CV 速水奨
謎の剣士として登場、圧倒的なカリスマ性と強さで、アルフェンたちの前に立ちはだかる。
正体は、最後のスルドであり、ダナもレナも関係なく自分に対して、盲目的に服従させることを目的としている。
ヴォルラーンには、さらに隠された過去があり、アルフェンと浅はかならぬ因縁もあります。
見た目や立ち振る舞いが、完全にFF7のセフィロスを彷彿とさせ、明らかにセフィロスをリスペクトするようなシーンもあります。
ただ、最終的に最も人間臭いスルドであり、アルフェンのライバルキャラとして、圧倒的な存在感を見せつけてくれます。
以上が、テイルズオブアライズクリア後のストーリーやキャラに関する感想でした。
正直、もっとネタバレしようかと思いましたが、まだ発売して間もなく、楽しみにされている方もいるので、極力重要なネタバレは避けつつ語りました。