この記事は2019年8月30日に更新しています
どうも、7月1日から7ペイ、ファミペイと大手コンビニによる独自のコード決済が開始しましたが、7月5日時点で、両者の評価に大きな差が生まれましたね。
ファミペイは、他社に負けない15%ポイント還元キャンペーンなどやっていたり、セルフレジにファミペイ決済を追加することで、利便性をうんでいます。
ただし、ポイントは汎用性の高いTポイントを期待しましたが、「ファミペイボーナス」という独自ポイントになっています。
クレジット登録もファミマTカードのみとなっており、それ以外は店でチャージというnanaco方式です。
現在も楽天ペイ、paypay、lineペイ、メルペイと既存のコード決済会社は還元キャンペーンを続けていますが、ファミリーマートの還元キャンペーンが終わり、CMも少し落ち着いた時点で、新しい刺激を求める消費者にとっては、良い宣伝だったと思います。
結果的に100万人以上の登録者を短期間で達成しました。
一方で、セブンペイも150万人以上の登録者を達成しながらも、5000万以上のクレジットチャージによる不正利用によって、信用を完全に失っています。
ちなみにpaypayも100億あげちゃうキャンペーン初期には、クレジットカード番号を何度も入力できるというセキュリティの穴が指摘されましたが、今回の事件ほど大事にいたらず、回数制限がついています。
トップの人間が「2段階認証」を知らなかったという記者会見が象徴するように、セブンイレブンは、トップダウンの旧態依然とした体制が抜けきっていません。
セブンペイはnanacoポイントがつくのですが、nanacoカードを作らなければならなかったり、ファミペイほどの大規模な還元キャンペーンを行っていなかったりと後発ながら、魅力にかける要素が見られました。
さらに、7月からはpaypay、lineペイと他社のコード決済をなぜか引き入れ、セブンペイを集中して利用するメリットを完全にぼかしてしまったと指摘せざるをえません。
キャンペーンとして明らかに弱いにもかかわらず、150万もの登録者を生んだのは
「大企業としてのセブンイレブンの信頼とインフラ」
にあります。田舎町であればセブンイレブンで主要な食糧やちょっとした日用品をそろえられるでしょうし、コンビニチェーンの先駆者であるリスペクトも我々はもっています。
定価販売であっても、職場の近く、家の近所にセブンイレブンがあれば、1週間に何回かは立ち寄るでしょう。
おそらく、今回の騒動でコード決済を使用したことがない人に対しても、ネガティブなイメージを植え付けてしまったので、セブンペイの不祥事の罪は、かなり重いものになるでしょう。
自社で新しいプラットフォームを立ち上げる労力や社会的責任よりも
「セブンイレブンは、楽天ペイが使えませんが、paypayで魅力的なキャンペーンをやります」
というように、既存のコード決済と提携したほうが、安牌だったのかな・・・と思います。
・・・・・楽天ペイ導入してほしいっす
2019年7月時点のコード決済事情
コード決済は、現状では非常に不便な決済手段です。
確かに、クレジットカードを作らずともチャージすれば、スマホで払えるのですが、スマホでアプリを探して、バーコードを出すのが簡単といえば、ちょっと手間です。
そして、今回のセブンペイ問題のように、クレジットと紐づけしてしまえば、簡単にクレジットからチャージできてしまいます。
楽天ペイなどは、アプリを開くとすぐにコードが出てきてしまいます。スマホを紛失すれば、即座にクレジットも止めなければなりません。
また、現時点では使用できるショップが限られてしまい、どうしても大手コンビニのみの使用に限られてしまいます。
そのため、各社が大規模なキャンペーンを行ったとしてもあまりありがたみを感じないのが、正直な感想・・・
ポイント還元がでかいから、家電量販店で爆買いする・・・そもそも爆買いする種銭がないですよ(笑)
将来的にICチップを身体に埋め込んだりして、手首だけで決済できる・・・という未来が予想されますが、コード決済は従来のクレジット決済を脅かせないでしょう。
個人的には、デビットカードが一番便利です。
ちなみに7月時点であれば、ポイントの汎用性が高く、どこで利用しても5%還元が9月30日まで続いている楽天ペイか、銀行の利用範囲が広く、こちらもどこで利用してもポイントがつきやすいlineペイが一番お勧めですね。
アプリから利用するという観点と、指紋認証を用いたセキュリティを加味すれば、lineペイが一番よくできていると思います。
ファミリーマートが下した答え
これは、最近になってファミリーマートのセルフレジで撮った写真です。
ファミペイ実装から半月ほどで、セルフレジでファミペイが利用できるようになりました。
当面は、自社サービスのみのセルフレジ対応と考えていましたが、なんとラインペイ、楽天ペイと大手コード決済サービスを取り込みました。
ファミペイもサービス実装直後は、大規模な還元キャンペーンをしたにも関わらずです。
Tポイントもセルフレジだと多少時間がかかっても落ち着いて入力できます。レジが混んでると「わざわざスマホの画面だすほどじゃないよね」と引っ込めてしまいます・・・
コンビニにとってコード決済は、利便性を向上させますが、導入にコストを伴います。
だから、セブンペイのようにナナコも含めた自社サービスを拡充させるというのが、一般的な考えです。
しかし、「コンビニは基本定価販売」という原理原則を考えると、意固地に楽天ペイの契約をしないことよりも、幅広くコード決済に対応できたほうが賢明だったのです。
ユーザーからすれば、コード決済は
スマホ一つで、コンビニが利用できる
という利便性のみならず、ポイント還元の恩恵を受けられるので、ごく少額ではあるものの
実質、値下げセールをいつも行っている
というイメージを植え付けることはできます。
一方で、いつも使用できるコード決済が別のコンビニで使えないとなると・・・
ポイントのために財布中のカードをひっくり返すサラリーマンがいるようですが、ファミリーマートで利用できる還元なのに、ほかのコンビニでできないとなると
たかだか、2~3円程度のポイントでも
損した
って心理が働くんですよね。
たかだか2~3円程度のポイントでもです。
額の大小ではないんです。人によっては、安いか高いかの2極論だけです。安くしているのは、サービスが良い、企業努力で、高くしているのは怠慢と考える人は、世の中にいるわけです。
コンビニというのは名前そのものが便利という意味です。
そして、定価販売を基本としているので、中長期で考えたら自社の独占サービスにコストをかけたり、優位にすることはかなりリスクが高いということになります。