薬局で働いていないけど東洋経済の「薬局の正体」を読んだ これからは薬のみならず情報の管理も必要に

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四季報で大変お世話になっている「東洋経済」から発行された

薬局の正体

を紹介していきたいと思います。

この絵や、内容からして薬局や薬剤師への問題提起を含めたものという想像はつきますが、しっかり読んでみると、問題は薬局のみならず、無責任な医薬分業をお勧めた国であったり、薬剤師が己の知識を発揮するフィールドを整えられなかった制度に問題があるということがわかります。

現場で活躍されている薬剤師の方は「その問題は数年前から指摘されていた」という古い内容かもしれませんが、第三者であれば「そんな問題もあったのか」と気づくことが多いです。

ドラッグストア関係の本を買おうと思っていたんですけど、間違えて調剤薬局の現状の本を買ってしまいました・・・(トホホ)

でも、なかなか面白い内容だったので紹介します。ちょっと大雑把ですが、軽い要約を書いてみます。ちなみに電子書籍でも領収書の内訳などの図解がのせられていますし、価格以上の満足感はあると思います。

コンビニが5.4万店舗に対して、薬局はなんと5.8万店舗で毎年1000店舗のペースで新設され、国内屈指のインフラを誇っている・・・それはなぜ?

急増の背景には、薬の処方は医師、調剤は薬剤師が分業する医薬分業が、国策で推し進められる。

日本では長らく、病院内で薬を受け取ることが一般的(僕が小学生ぐらいはまだその傾向がありました)で、医療機関は公定価格より安い値段で薬を仕入れ、多く薬を出すことで収益をはかっていた。そのため、患者に不要な薬をだす薬漬け医療が蔓延していた。

この薬漬け医療と医療費を薬剤師によるセカンドオピニオンで減らすことを目的として、医薬分業が推進された。

病院が院外処方箋を発行すると、病院近隣に多くの「門前薬局」が乱立するようになった。

門前薬局は、病院の前に薬局を出せば、患者が自動的に入り、顧客開拓する必要がない。病院にあわせた薬をそろえればいいので、在庫リスクも少ない。

未だに院内処方が主流の大学病院も存在するが、薬局はいつでも院外処方の転換に備えられるように、大手チェーンなどは周辺の土地を確保している。

調剤医療費を下げることを目的としたが、院外処方によって、院内処方と比べて、薬剤費に薬剤の技術料分が上乗せされるため、調剤医療費は膨らみ、患者の負担も上がってしまった。3割の自己負担であっても、ケースによっては調剤料、一包化加算によって3倍の負担増になるということもある。

問題は、利用者が薬剤師に対して満足しているかどうか?

多くのケースは調剤も処方箋も記載通りの作業で、服薬指導もマニュアル通りであり、薬剤師の中でも薬学部で学んだ専門性を生かす機会がないことを嘆く声もある。

内閣府のアンケート調査でも、薬局で技術料の加算を知らない声や、院外処方による高騰を「高すぎる」という声もそれぞれ過半数以上見られた。

厚生省は25年までにすべての薬局は24時間対応や在宅対応を果たすことが必要とする薬局再編増を示した。一定の要件を満たした薬剤師が患者の同意を得れば、従来よりも高額な報酬を算定できる「かかりつけ薬剤師・薬局」がうまれ、利便性も高まる一方で、患者の負担もさらに増える可能性が現れた。

かかりつけ薬局は多くの疾病、複数受診をしていたり、自分で薬の管理が出来ない場合は、薬交付後も、服薬状況や日常の健康相談へにも乗るため、メリットがある患者もいる。

また車いすの患者から、門外薬局の不便性を問われ、院内の敷地内に薬局を併設する門内薬局もすでに複数の大学病院が誘致している。

薬局の領収書に関して、実は、16年の4月から薬手帳を忘れてしまうと患者の負担が増える。38点から50点。

減算を避け、ジェネリックなどの特典を得ることで、薬局は安定して3割の粗利を確保できるような体制になっている。

以上の点から、薬局のみならず、ドラッグストアも調剤薬局への参入に意欲的で、業界最大手のウエルシアも7割の店舗が調剤薬局に対応しています。コンビニやショッピングモールとの提携と、薬局に比べるとフットワークも軽い。

一応、薬局業界最大手のアインもセブンイレブンと提携していますが、認知度や収益は成功していると言い難いです。OTC医薬品の9割はドラッグストアがシェアを握っているため、領空侵犯されたとしても、薬局がドラッグストアと同じ土俵で戦うのは難しい。

今後も薬局の店舗数は無尽蔵に増えていくのか?それともドラッグストアの本格的参入、国の規制緩和のようにどのような状況へ流れていくのか?

確かに、ここ近年で近所の内科医を中心に、自転車を走らせればいたるところに薬局が点在しているなぁと思うことが増えました。

薬局は自分たちの仕事の質とサービスを高めるということで

24時間365日間対応し、チェーン展開しているドラッグストアに倣って、余った薬は会員薬局間で融通していたり、覆面調査員による第3者評価も行っていたり、そして、メディケーションレビューという患者の自宅や店舗で、30分~1時間の服薬後情報を詳細に聞いて、医師への処方提案を行う取り組みも行っているところもあります。

後半は、薬剤師の現状を扱っていて、院も含めて6年間学費を納め、国家資格である薬剤師を取得するために予備校にも通うなど、負担による職業選択の不自由性が指摘されています。

志や正義感だけでは、ご飯が食べられないですからね・・・・

ただ、薬局や薬剤師の在り方を指摘する書籍ではなく、薬学部の大学についての第三者のジャッジもされているので、将来的に薬剤師として活躍したい方は、現状の認知と青写真を描く上でも参考になると思われます。


卒業後の進路は複数あり

①薬局で勤務

②ドラッグストアで勤務

③病院で勤務

④製薬会社で勤務

⑤派遣会社に登録し、フリーランスで働く

などがあるようです。

長期的に見れば、製薬会社、しかも花形の研究職で働くことが、働き甲斐や収入面でもトップなのですが、短期的に見れば大手ドラッグストアで勤務した方が、初年度で年収600万になることもあり、30代の店長クラスの年収が得られる可能性があります。

一方で、ドラッグストアの店長が薬剤師の仕事への理解が薄かったりすると、現場での衝突が起こり、転勤なども含めた年収になります。

研修制度が整った大手薬局チェーン店もスキルアップに欠かせないようです。

調剤薬局のみならず、一般のOTCのみを取り扱うドラッグストアであっても、ロキソニン、ガスター10などの1類を販売するためには、薬剤師の常駐が不可欠なので、高齢の薬剤師の方でも高い時給で歓迎するという風潮はあります。

僕もドラッグストアの一角でロキソニンを購入する際に薬剤師先生と相談させてもらいましたが、こちらが意図をもった質問に対しては、具体的かつ的確に指導していただきました。

本書終盤の現役薬剤師の対談で、「求められるのは地域密着と医師と患者とのコミット」というように、資格を保有しているから安泰、求められた薬を提供するだけで良いという認識では、淘汰されていくのでしょう。

本書を読むと、確かに薬剤師から言わるがままに薬を受け取っていたなと思い返すこともありますが、逆に患者である僕たちも、説明を受けるままに受け取っていて、どのような副作用があるのか、何を一番気を付けるべきかという点に、医薬分業になったことで鈍感になっているのではないでしょうか?

医者や薬剤師だけでなく、患者も情報リテラシーを身に着けて、薬への最低限の知識と健康管理を怠らないことが、重要ではないでしょうか。利便性によって、思考が失われないように、薬のみならず、情報もこれからしっかりと管理していきたいところです。

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