カメラを止めるな!のネタバレを止めることが難しいので、ネタバレ前提の感想

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映画好きな友人とみることができて幸せでした。

芸能界、映画評論家界をにぎわし、公開から劇場も増え、ロングランも確実視される「カメラを止めるな!」

京都では、残念ながら出町柳の映画館と桂川イオンしか上映されていなかったので、後者の映画館へ見に行きました。

8月30日の19時台でしたが、半分以上の席が埋まる程度にまだ人気です。

この映画、ネタバレ回避が非常に難しいです。

まず、ジャンルやストーリーの構造を少し話しただけでも、重要な驚きを奪ってしまうような形になりかねません。

空白をあけるので、ネタバレが嫌だとか、この映画に少しでも興味がある人は自分の足で見てください!!観客がなるべくいた方が素晴らしい映画体験ができます。

どうしても、この映画の良さを語るには・・・ネタバレを止められないのですよ・・・

これより下、ネタバレ踏まえた感想に突入


さて・・・・覚悟はいいでしょうか?

この映画は3段構造のストーリーで構築されています

①廃墟でのゾンビ映画の撮影

②ゾンビ映画に挑む前の各キャストの日常

③それを踏まえたうえで、別の角度からゾンビ映画のワンシーンワンカット撮影の裏側が公開

①で30分以上のゾンビ映画を見ることになります。結構チープな作りで、「ここ無駄だな・・・退屈だな・・・」と思うところが③でどのような裏があったか判明します。

伏線回収に一切の無駄がなく、しっかりとストーリーが終わるので、2度見る必要はないんです(でももう一度見に行きたくなると思いますよ)

宇多丸さんもおっしゃったように、③でカットをしながら、鑑賞者が見たいところをしっかり見せて、解明してくれる様が非常に気持ちよいです。

①であまりにも不自然だったシーン、つまらなかった空白が③を迎えることで、「あのシーン絶対に何かあったはずだ~」と観客全員が固唾をのんで見守っていました。

この映画の長所を伏線回収の巧さや、時系列を前後させているが、わかりやすい見せ方、表現ということに集約できることもできると思いますが、見終わった後にものすごい余韻が残る映画なんですよね。

なぜかというと、一人では問題を抱えていたり、不完全なスタッフや役者が、映像を作るという一つの目的に困難やトラブルを抱えながら、切磋琢磨に協力して、完成させていくというすごい美しい仕事映画になっているからです。

面白いのは、ラストの3段階目なんですけど、②でそれぞれのキャストの問題を端的に、わかりやすく見せていくという点が非常にうまかったです。

やや上の立場にいた、主役のアイドルやイケメン俳優でさえも「こいつ一生懸命仕事しているな」「なんか、後半顔つきがかわったな」という共感を覚えさせてくれます。

たった30分足らずでキャラクターを感情移入させる見せ方ができる時点で、ただの「衝撃のラスト」で吊るような映画とは違い、本格的なヒューマンドラマとしても楽しめるという味わいのある作品に仕上がっています。

あと、綺麗に終わっているんですけど、「このゾンビドラマは世の中にどのような評価を受けたのか?」ってところはあえて描いていません。それは受け手の解釈に委ねるみたいなところです。

おそらく、現実にワンシーンワンカットのゾンビ映画が生放送されたところで、その労力やアクシデントなんてわからないはずです。劇場の雰囲気がそうでしたし、劇中でもテレビ関係者がスマホに目をやるシーンがあります。

監督が自分のやりたい映像を作り切ったという自己満足だけど、「何かを残せた」それを見る側も共有できた、それで十分なのです。

伏線回収も過程がスピーディーで無駄がなかったです。普通の映画なら伏線を回収するシーンを「デーーーン」と偉そうにスローモーションかけたりする監督もいるんですけど、設定が設定だけに駆け抜けるように、監督の想いが果たされたと思ったら1分後にトラブルが起きるし、息をつく暇がないんです。

(舞台の設定にインスピレーションを受け、三谷幸喜の影響も大きいのですが、初期タランティーノのように伏線回収への構成や別の角度から見せることで新しい事実と、キャラの別の側面を浮かばせて、感情移入させた点は絶賛)

現実の仕事でも

「よしうまく対応した」

と喜びをかみしめたら、その30分後にくだらないミスをして、がっかりして休憩室で少し肩を落とす。でもまた5分後に挽回のチャンスが巡ってくる。

本当に喜びや落胆、チャンスとピンチが目まぐるしく入れ替わります。

帰りの電車で「あの時あんなことあったけど、あれもあったよな~」とじっくり振り返るのです。

本作はフィクションでもあり、働く大人のドキュメンタリーでもあるのです。

そしてキャストのちょっとした個性や労力を端的に見せて、感情移入を96分でさせきったという点が素晴らしい。

結構、ほめちぎりましたね。娯楽映画としては、理想的な作品の一つです。

見終わったら、「あ~~よくできていたね、面白かった」とスッキリしますが、時間がたつにつれ、「あのキャラがあれだけ頑張ったんだよな~」「あいつ、新しい仕事もらっているんじゃないか」とまるで現実で、隣にいるように気になってしまいます。

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