ドラゴンクエストV ユアストーリー ネタバレ感想・レビュー フィクションの力をもう一度信じる時が来る

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ドラゴンクエスト ユアストーリー

結論から言えば、見てよかったと思う場面も多かった。他方で繰り広げられているラストシーンの賛否については、僕は明確に否の立場にいる。

ドラゴンクエストといえば、言わずと知れた国民的RPGといいたいところだが、新作のスパンが長くなった影響で、幼稚園~小学生の子供たち・・・などはポケモンや妖怪ウォッチに親しみを感じるかもしれない。

29歳の僕の周りもドラゴンクエストのファンはいるにはいるが、ファイナルファンタジーや、テイルズシリーズ、そのほか多くのRPGブームだったこともあり、ドラゴンクエストは代表作で最も売れているという認知はあったが、社会現象・・・というほどではなかった。

そのため、僕が初めてプレイしたドラクエは本作の原作にあたるドラゴンクエストVのPS2リメイクだ。

3代にわたる大河ドラマ、嫁を選ぶシステム、特定のモンスターを仲間にできる自由度の高いパーティ編成。

壮大なストーリーと自由度の高さと、確かなつくりとドラクエのすごさを見せつけられた。

のちにリメイクを重ね、生みの親の堀井雄二氏もロト三部作最終章のⅢと並び、思い出深い作品として本作を挙げている。

以下ネタバレになります。

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フィクションの力を信じられるのか?

さて、本作はまさにメタフィクション作品である。

主人公がVR装置を使って、ドラゴンクエストVの世界に入るが、記憶を消されているので(危なすぎる・・・)、最後にアンチゲームのハッカーから、ネタバレが行われる。

もっと、簡潔にいえば「夢オチ」

夢オチというのは、現在では

「どれだけ突拍子な展開でもありにできて、なしにできる」

一時は、夢オチというのは、フィクションの可能性を広げたが、現在では「脚本家がロジックを扱うことにさじを投げた証拠」として、一部では批判される。

手法としては、何十年も前から繰り返されたもので、驚きもない・・・ゲームは虚構なのか、人生の友であるかなんて論争は個々が考えればいい話であって、製作者が説教的に押し付けるものではない。

インタビューを見ると脚本を担当した、山崎貴総監督は、このラストを想起してから、ドラゴンクエストの世界が描けると確信して、脚本を書いたらしい。

物語中にゲーム画面を出したり、メタ的な要素はいくつか散見されるも、主人公がコメディな立ち回りをしていたとか、これはあくまで1プレイヤーの決断ということで、ビアンカ・フローラ論争をあいまいにしたとか、ミルドラースを描くのが面倒くさくなったのでは?とかフィクションを描くことから目を背けたという描き方に映った。

山崎監督といえば、ALWAYS三丁目の夕日で、フィクションの力というものを訴え続けた監督では?と僕は思った。

それとも、あの作品で「昭和の人たちはみんな前を向いて歩いたわけではない」「昭和を美化しすぎ」という一部の批判を受けて、フィクションの力に対して、山崎監督は信じられなくなったのか?

もし、最初からこのような路線で進めるなら、俳優を起用したことを活かして、結婚や就職に悩んでいる佐藤健を出して、ドラクエVのVRをやって、勇気を与えられて・・・の方が至極綺麗だったのでは?と思う。

ドラクエとゲームの没入を持ち出されると、いやでも最近起きた農林水産省事務次官の息子殺しを思い出さざる得ない・・・

繰り返すが、フィクションに対して、どのように消費しようが、解釈しようがそれは鑑賞者、プレイヤーの勝手だ。作り手が解釈を無理強いするのは、ゲーム好きである以前に、映画好きとして、歓迎できない。

あのような、「あるプレイヤーのVR体験記」としてパッケージングせずとも、ダイジェストでまとめられた、ユアストーリーというフィクションに対して、生きる希望をもらった人もいるし、面白いコンテンツがあることで明日も頑張ろうと思えた人もいる。

事実、大胆な改変はされているが、100分という極めて短い尺のなかに、ドラゴンクエストVの主要なシーンを詰め込んでいるし、キャラクターデザインに鳥山明を起用せずとも、ビアンカとフローラは愛らしく感じられ、CGによるリアリティや、キャラの機敏な動きは、迫力のあるものだった。

原作映画としては、及第点のクオリティのある映画なのだ。

一方で、ラストの展開があることで、本作は「語るべき映画」になったという側面も否定できない・・・

だから、僕は山崎監督に、フィクションの力をもう一度信じてほしい

そして、鑑賞者の読解力をもう一度信じてほしい

それを切に願う。

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