※これは、かなりの胸糞・・・ちょっと言葉悪いですが、そういう記事です。
愛媛県の農業アイドルが事務所からのパワハラを苦に3月自殺、遺族側が9200万円の損害賠償を所属事務所に求めるというニュースが報道されました。
それを受けて、衝撃を受けて、思ったことを書いているので、まとまりの悪い文になっていることご容赦ください。
休日にたまたま見たのですが、非常に胸が痛くなる報道でしたね。
ご当地アイドルっていても、自治体が支援しているのではなく、事務所が「このように売ろう」という戦略で駆り立てられているわけです。
よく「アイドルになるのは、その人間の自己責任」「アイドルは自分たちの意志で選ぶ」っていう意見が見られますが、アイドルだって立派な職業として認知されているので、コンプライアンスの徹底や、パワハラの抑止は絶対です。
大前提として、そのアイドルが健全で幸せな生活を送りながらも、歌やパフォーマンスをすることで、ファンも同じようにポジティブになれることが重要なのです。
被害者が「社長と話し合って、脱退することをあらためました」と伝えると「次、寝ぼけたこと言ったらマジぶん殴る」を筆頭に
「イベントで学校を休んでしまったので、次は休みます」と伝えると「お前の感想はいらん、お前の出演を考えにゃならん」
・・・とまぁ、これが社会人の言葉遣いなのかと呆れるばかりです。アイドルは事務所にとっては、大切な商品でもありますが、もちろん人なので、彼女たちが真剣に全力でパフォーマンスできる環境を整えるのが最善でしょ・・・
16歳の女の子が、長時間拘束されるイベントと学業のはざまで悩みに悩んだ3時間を「たった3時間」と吐き捨てるなんて・・・
しかし、残念ながら裁判の論点になるであろう、自殺前日の
「辞めるなら1億円払え」
という事務所の発言は、ラインにも残っていませんし、おそらくあると思いますが、被害者の遺書に書かれているかどうか。こういう発言は、離婚協定の時もそうですが、日時と何をいわれたか明確に書くことで、法廷で効力を持つといわれています。
正直、社長の言い訳も稚拙すぎます。実際に活動して、日本一のアイドルになりたいと思っても、学業を優先したい気持ちや、学業の経験を積むことでアイドルとして一皮むけるという可能性に目を向けられず、目先の利益しか見ていない。
誰もが尊敬できる、憧れる人をつくるのだから、教育や言葉遣いを教える立場がなってなかったら、お話にならないです。本当に悪辣極まりない。
僕は、こういう自殺報道を見ると、いつもやむにやまれぬ気持ちになります。
なぜなら、無念や未練を残したまま死んでしまった人たちの真実は聞けず、のうのうと生きている人間は、自分の都合の良いように情報を隠ぺい、刷新するありさまをただ指をくわえてみることしかできないからです。
また、自殺というセンセーショナルな報道が行われ、初めて動き出してしまうのも皮肉です。
彼女に一定数のファンがいれば、ファンのコミュニティサイトがあれば、そこにラインのコピペを載せて、相談することもできたでしょう。
LINEはSNSですが、かなりクローズドなSNSです。ツイッターやYOUTUBEのように動画やネットで第三者の意見を訴えることができる環境は現代ではあります。
簡単にいっていますが、16歳という年齢でも「自分はここまで積み上げてきたんだ」という迷いもあったのでしょう。東京なら事務所は数多とありますが、愛媛で権力を持っている事務所から抜けたら、アイドルという夢を諦めざるを得ないという葛藤もあったでしょう。
さらに、アイドルは自分で選んだ道かもしれませんが、選んだ道=自己責任に問われるなら、この世に生きる9割以上の人間がすでに断罪されているはずです。
昔の役者のように、アイドルも「どんなにつらいことがあっても人々に笑顔を振りまかねばならない」という義務を負う必要はないと思います。
苦しい姿、悲しむ姿、劣等感を裸にすることで共感を得るアイドルもいます。
疑似恋愛や憧れだけで成立するような、いわば表層的なアイドルの時代は終わったと思います。
少し前に、孤独死してしまったファンの葬式をライヴにて、行う地下アイドルの姿がテレビで放送されていました。
事務所とアイドルのヒエラルキーは崩れ、アイドルはファンとネットや現実を通してリンクしていき、共感して現代を生きていく。憧れの偶像から共感の偶像へ変遷しつつある時代です。
このような悲劇は、見たくありません。
これは、東電の過労自殺同様に、パワハラ自殺における氷山の一角です。
同じような犠牲を出さないためにも、この現状に乗って、間違ったことをただす勇気をもって、今日は停滞でも明日はアイドルになる・・・有名になったアイドルでも子供時代につくったグループで挫折して、辞めたという経験はあります。
我慢して、強い姿を見せることを美談にするのもいいですが、それを美談とせず、弱い姿を人にさらけ出す、相談することで、明日は強く、笑顔で周りを元気にする自分を引き出せるかもしれない。
(アイドルの生き方、在り方について考えさせられるAKB絶頂期のドキュメンタリー)