吸い手に絶望も希望も与える HOPE(ホープ)という魔力

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あいつはまるでツンデレのようだった。ある時はものすごく深みがあって甘く、こっちの要求をすべてのみこんでくれる度量がある。でもある日突然尖ったように突っかかってくる。あっという間に消えてしまったそんなきまぐれだから今でもあいつのことが気にかかる。

見た目はかわいらしく、10本で230円、それに1957年からちょうど60周年を迎える。
「あぁ最初に吸うべきスタンダードなタバコなんだろうな」
という多くの人の期待を逆なでがのごとく人を選ぶタバコ。それがHOPE(以下ホープ)ではないかと考える。

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(ケースはスライド式。いろいろこのタバコならではを感じさせる)

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(10本入りで小ぶりなため携帯性も高い。裏を返すと100円ライターを入れられない不便さはある)

14ミリというパンチのあるタールに、プレーンフィルターを採用。
ネットで調べたところ、現在主流のチャコールフィルターは活性炭を利用してタバコの雑味を抑えてタールとニコチンの量までもコントロール。マイルドな味わいになるが、プレーンフィルターは活性炭を使用していない分、タールやニコチンの減少量が少ない。
 
ホープは見た目通り、太いため、吸って燃焼させるには案外吸い込み力がいる。少し吸っただけでタール14のどっしりとした味わいと少し吸っただけにもかかわらず真っ白な煙が現れる。
また短く、吸える量もさすがにアメスピよりははるかに少ないものの、短いなりのメリットがあって手に付着するタバコ臭が抑えられる。

このどっしりとした味わいを文面で表現するのは難しい。確かに蜂蜜の香料が使われるので、甘味があるのかもしれないが、甘さというより元のタバコの味わいがより濃厚でこってりとなったという印象が強い。タバコの甘さについてどうこう語れるほどタバコ歴があるわけではないが、煙に確かな風味と味わいというものが甘さではないかと思う。

このねっとりと口腔をまとわりつく煙は他のタールを抑えたタバコを吸うとよりわかりやすいのかもしれない。短いながらもうまくゆっくり吸うことで1分あたり4~5分吸える。雑に吸えば2~3分なのでアイコスの先端の加熱具合のように吸った時間でホープをどれだけ味わえるか判断するのも面白い。

一見すると小休憩でも据えて10本単位で買えるインスタントなタバコに見えるが、実はしっかりクールスモーキングを意識して、ゆっくり吸わないと味わいが堪能できない玄人志向なタバコ。

雑に吸いすぎると途端に灰そのものをすすったような苦みがやってくるし、チェーンスモーキングすると全く味わいがなくなる。もちろん談笑しながら吸っても味わいが逃げていく。

寒空の下で一人で灰皿の前で煙一つ一つを確かめながら時間をおいて吸う。文にすると簡単だがそれを実現させることがいかに難しいことか……タバコを吸う場所さえ現代は限定されているというのに、そのタバコのポテンシャルを引き出せる環境が日本ではあまりにも整いにくいことを思い知るタバコでもある。

コミュニケーションの一環で吸えない、チェーンスモーキングはできない、しっかり冷やすために寒空の下が適切。ということで朝から晩までタバコを吸わず、仕事終わりに一本だけがホープの味わいを最も堪能できるシュチュエーションだと感じる。またこれを実現させるのは難しい。あえてホープ一本だけを携帯するとか、常用にタール低めのタバコを持っていて、最後の一本で残すかはあなた次第。

この風味があるときと、まるで不味くて苦くなるという二面性。しかもあっという間になくなっていくというところがホープの魔力なのだ。10本だけというのも名残惜しさを生んでいる。他のタバコ会社は20本でタバコ漬けにするために20本にしていると思われるが、もっと本数を変えて名残惜しさを求めてもいいのかもしれない。

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