メタリカ新譜 2016年ハードワイアード・・・トゥ・セルフディストラクト 8年越しのニューアルバムを20代の僕が解釈

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前作のデスマグネティックから8年の歳月をかけて自らのルーツを振り返ることを終え、ライブで自らの曲を何十、何百と繰り返し演奏することで生み出した新しいリフが集まった新譜「hardwired…to self-destruct」。2枚組で約80分の新譜を約3ループぐらいした感想を書き綴っていこうと思う。

ロック、ハードロック、ヘヴィメタル。HR/HMを誕生、発展させていったのはいつもイギリスのバンドで後発となったアメリカバンドのアイデンティティの一つとしてスラッシュメタルというジャンルが存在した。

現在ではMETALLICAは真正スラッシュメタルバンドだと声をあらげていうファンはいないと思われるが、この新譜は逆にMETALLCAがブラックサバスやアイアンメイデンなどの、リフ、ソロ、構成を踏襲しつつ大御所バンドとなった自分たちの音楽で何を表現できるかを模索した作風になっている。

アルバムの絵には怪奇映画のようにメンバーの顔がおどろおどろしい色合いともにごちゃごちゃに混ざっている。そしてアルバム製作段階でもことあるごとにメディアに対して「今回のアルバムは膨大なリフのアイデアがつぎ込まれて整理しきれていないんだ」とメンバーは発言していた。

蓋をあけてみるとdisc2の5曲などはリフ→ソロ→リフといったロックの基本形のような実にシンプルで悪く言えば差別化されていない作りになっている。逆にdisc1の2曲目「ATLAS,RISE!」、4曲目「MOTHINTO FLAME」、6曲目「HALO ON FIRE」などはミドルよりやや早めのテンポながらリフやソロの変調が多く盛り込まれメンバーたちのリフアイデアをうまくまとめてコラージュさせたような作品になっており、個人的にこの3曲が本アルバムの代表曲ではないかと考えている
ミドルテンポであるメリットとしてはジェイムズの歌メロとの融和がうまくとれるということ。特に「HALO ON FIRE」は「FADE TO BLACK」「WELCOME HOME」のようにミドルテンポのリフで構成されるヘヴィメタルから突然情緒豊かなギターソロで悲嘆や叫びを音で表現するMETALLICA全盛期を支えるメタルバラードの核であり、その曲調にのっとっているが長時間のギターソロを挟みながらも合いの手をいれるようにジェイムズのヴォーカルが挟まる。

本作はオフボーカルが一つもなく、St ANGERのようにジェイムズの歌詞やヴォーカルに焦点をあてたアルバムでもある。disc2のギターソロの印象薄さもカークの技量うんぬんよりそういうコンセプトが盛り込まれているからだと思われる。

disc1の一曲目とdisc2のラストに疾走ナンバーを入れるのは恒例でファンとして好きなのだがあえて言及しない。

前作のデスマグネティックは過去のスラッシュメタルとして称賛された時代の構成や曲調を思い起こしながらつくり、結果ブラックアルバム以降のパワー溢れるリフとただでさえ早い曲調なのに矢継ぎ早にリフが入れ替われるリフメーカーとしての初期の長所がうまく融合した作品になった。

逆に本作はメタリカらしさというものを一端捨てて、「ノリのある、良いロックをつくろう」という究極の原点回帰のもと作られ、アイアンメイデンのようなツインリードやブラックサバスのような重い重低音なリフを交えながらエッジの効いたメタリカらしいプレイが重なった作品になっている。
まるっきり大御所の流れを模倣したようなコンセプトにもかかわらず最終的に聞くと「いいメタリカサウンドが聞けた」と思わせた時点で彼らが最前線で輝くヘヴィメタルバンドであることの何よりもの証明。

そのため曲単位のクオリティは後期の作品よりも優れている曲が多いのは事実。通しで聴くにしても親切に2枚のディスクに分かれており、通しで聴くより分割して聞いたほうが聞きやすいと感じる。ただしdisc1、disc2のクオリティに大きな隔たりを感じざるを得ない。disc2で数曲をdisc1に取り入れて一枚にすればアルバムとしてのクオリティはかなり高いものになったのではないだろうか?

しかしながら、METALLICAというバンドはおそらくアルバムの構成を考えながら曲の配分をすることを考えてはいるがそれを一番に据えていないというのが僕の印象。自分たちのその時やりたい情熱や意欲を取り入れて収録された曲たちがアルバムとしてまとまるという流れで作っていると聞いていて感じる。そうやって作ってきたからこそ駄作と言われたアルバムの中にもライブでは定番となっている曲が最低でも1~2曲は含まれ続けている。リロードのFUELなどはその典型的な例だろう。

もしまだMETALLICAの新譜を聞いていない人がこのブログを訪れたなら通しでじっくり腰を据えて聞くよりもランダムシャッフルで一日一曲ぐらいのライクな気持ちで聴いてみると思わぬ発見があるに違いない。案外順番にきくからこそ見落とす魅力というのもあるものだ。

ちなみに本作の楽曲はYOUTUBEで全曲フルで公式よりきくことができる。ナップスターの一件から「曲を無料公開するにしても自分たちの権限でできないのがおかしい」というラーズの有言実行が実った結果になる。

さてまだ3ループしか聞いていないがご褒美であるdisc3を聞くとするか……

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