レイディアントシルバーガン レビュー・感想 ストーリーモードを遊ぶことで感じた本作の魅力

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1998年、トレジャー×井内ひろしで製作された3D描写の縦スクロールシューティング「レイディアントシルバーガン」(以下RS)。トレジャー発足時からセガハードと親密な関係を築き、RSもセガサターンへスピード移植がなされた。

レイディアント シルバーガン レイディアント シルバーガン
(1998/07/23)
SEGA SATURN

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(トレジャーゲーは高騰するという定説が生まれるが、次作にあたる斑鳩では複数ハードで展開される)

一見では難解困難なシステム、膨大な武器、ボス、きらびやかな演出とそれまでの、いや現在にいたっても同類のSTGは存在していないといってもいいかもしれない。

ただ、そのあまりにも癖のあるシステムが転じて、常に賛否両論巻き起こる作品であるといっていい。
何百時間も費やしてパターンを完璧に構築したプレイヤーからみれば「やりがいがある」「完成されたシステム」「どんなゲームを楽しむためにも一定の努力が必要」と力説し、すぐに手放したプレイヤーからは「あまりにも爽快感がない」と一蹴もされた。

トレジャー×井内ひろしといえば、本ブログで「グラディウスV」を取り上げたことが記憶に新しい。
グラディウスV考察  STGをコンシューマー専用・フルプライスで出す意味

グラディウスV グラディウスV
(2004/07/22)
PlayStation2

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(初代PS3が壊れるまでは3面までプレイして4面にはいったら疲れてやめるを繰り返していた。)

ここではパズル製の高さが苦手で、壁に殺されるのは面白くなく、あまりにも初見殺しが多すぎることを批判気味に書きつつも、家庭用STGとしては珠玉の名作であることは評価した。ただ、あまりにもグラディウスVのイメージが先行して、XBOX360を購入してからもプレイすべきか多少渋ってしまった(購入は即決だったのだが)

実は、XBOX360で本作をダウンロードする前にゲームセンターでたまたま発見しプレイしたことがある。印象は最悪。冒頭にガイドがあるわけでもなくいきなり多数の武器の使い方も分からないまま放り出されて、壁にぶつかりまくって撃墜。最初のステージなのに次々と50円が吸われていった…

RSが評価されたのはアーケードで登場した瞬間ではなく、斑鳩の評価から翻って共に評価されたり、家庭用のストーリーモードの作りに定評があったことも大きい。だからXBLAで登場する前はセガサターン版の中古市場でも1万超えを探すしかなかったようだ。基盤は売られていないから探しようがないという事情があったにせよ、井内ひろし作品のグラディウスVとRSは家庭用STGと考えたほうがいい。

いざダウンロードしてプレイしても悪い印象はあまり変わらなかった。「ボスが硬すぎる」「チェイン?なんだそれは・・あぁやられた」「武器にレベルがあるが全部均等に使い分けなきゃならないの?面倒くさ~」

この作品の基本システムとしてスコアと武器成長があげられる。

これまでプレイヤーの自己満足でしかなったスコア要素をゲームシステムに取り込んで、スコアをあげればあげるほど武器のレベルが上がって攻撃力や範囲が高くなり有利に進められるという要素だ。

このシステム自体は素晴らしいアイデアだと思う。稼ぎは別に詰まらないと思わないし、ゲームを楽しむための攻略法を探す過程は面白そうだ…と思ったがチェインボーナスという赤・青・黄の敵が登場する中で一つの色の敵を倒し続けることでボーナスを集めていくシステムを活用しなければならない。つまり、状況に依っては敵を見過ごす必要がありこれが難易度上昇と爽快感の薄さに繋がっている。

このチェインボーナスはやはり一見さんには厳しく、マニアックな作りと言わざるを得ない。RS、グラディウスV、斑鳩の最初のステージはそのゲームをどのように楽しむべきかをしっかり導いてくれて爽快感もあるいずれも優れた作りなのだが、RSに至っては次のステージからどうやってチェインをつなげばいいか登場する敵が最初のステージのように「赤を狙ってね」と露骨に組まれているわけではないので難しくなる。

Wonder Price ESCHATOS Wonder Price ESCHATOS
(2012/06/14)
Xbox 360

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(家庭用専用、360のオススメSTGによくあげられる作品。本作ではスコアを溜めることによってコンテニュー回数、ステージセレクトそのほかもろもろの要素を解放することでスコアを溜めたいというモチベーションを高めさせている)

稼ぎどころが分からぬまま、低レベルの武器で後半のステージへ進むとボスはおろか雑魚までもなかなか削りきれずに撃墜は多々ある。アーケードをしっかり楽しめるためには人を選ぶゲームであることは間違いない。

ちなみにプレイ動画は攻略の参考になるが、これから遊ぼうと思う方は見ないほうがいい。ほとんどがパターン化されていたり、稼ぎのためにあぶったりと本作のプレイ動画は観ていて詰まらない部類に入ると思われる。

それでは本編といってもいいストーリーモードの話をしよう

RSのストーリーモードはアーケードの根底を覆す一つのシステムが存在する。
「レベル・スコアの引き継ぎ」である。

1回目のプレイでバルカンレベル5、スプレッドレベル5、ホーミングレベル3でゲームオーバーになったとする。そのデータをプレイヤーはセーブするかどうか選択ができ、セーブしてそのデータで開始すればステージ冒頭からそのレベルを引き継いでプレイできる。何回も繰り返せばあえて稼いだり、チェインを狙うこともなく高レベルではじめることができる。

これはスコアをどうやて稼ぐか、チェインをつなぐという本作のゲーム性を根底から否定したつくりで、おそらく井内氏はライトユーザー向けに簡易化されるSTGのアンチテーゼとして本作を作ったのにそれとは逆方向のストーリーをあまり推したくはないと思われる。

プレイヤーからすればパターン構築から解放され、純粋に登場する敵を撃ち、ギミックを制覇することでRSが持つ外側の魅力。多関節が活き活きと動くロボ描写や金を基調とした幻想的な背景(しかしこれの影響で弾が見えないことも…)、私が最も好きな崎元仁氏による壮大なオーケストラ調で何回も聴くうちにステージとリンクさせ、ボスの登場で突如変調するダイナミックな構成に心奪われる。もうたまらない・・・

そしてストーリーもSTGのストーリーというのは説明書であらすじが書かれ、プレイのOPとEDでちょっと説明される程度なのであまり気にしたことはなかったが、そこに有名声優陣によるセリフとキャラ絵、ムービーが挿入されたことで全貌が分かりやすくなっている。そのためRSのストーリーを把握しているプレイヤーは多いだろう。

そして、ストーリーモードを主にプレイし続けて二つ本作の素晴らしいポイントに気付いた。

一つは7種類も存在する武器一つ一つに個性があり、どれも場面によって絶大な効果を発揮する色分けがしっかり出来ている点
ホーミングプラズマ、ホーミングスプレッドは最初使用場面が良く分からなかったが、壁越しで通常武器がふさがれる場合は通り越して攻撃することが可能だったり、ボスを直接攻撃するには不向きだが部位破壊に優れていたりと発見がある。
通常武器のバルカンやスプレッドもちょんと押すことで一発しか弾を出さなかったり、近くに爆風を起こして弾幕をはるようなことができるといった使い分けが存在する。これをややこしくて面白くないと切り捨てることもできるが、武器の使い分けはプレイするたびに確実に習得できるものなので私は純粋に楽しめた。

またプレイすればするほど気付かされるのはレスポンスの素晴らしさ。パズルゲームとかRPGとかシステムばかりが目につく作品だが触り心地の良さを私はもっとアピールしたい
具体的にはバルカン、スプレッド、ホーミングを同時押しで出るレイディアントソードだが、単発押し>2ボタン同時押し>3ボタン同時押し(レイディアントソード)の順で優先順位が決まるため、すぐにレイディアントソードボタンを押せばくるっと時期を回転して近接攻撃がラグなく反応する。レイディアントソードは特定の弾を吸うことでボムにあたるハイパーソードが使用できるため、本作の要といってもいい。
もし、ボタンを押してコンマ何秒かのラグがあればその時点で思うように動かす楽しさは味わえずに評価は一気に下がっていたと思う。

次にボスラッシュである。これはグラディウスVのボスラッシュとは違い、一気に立て続けに現れるのではなく雑魚やギミックを攻略する道のりとボスの感覚が他ゲームに比べて圧倒的に狭く、あたかもボスと連続で戦っているような緊張感と次々と破壊していく陶酔感が味わえる。前述の通りトレジャー得意のうねうねと動くボスのCGは必見。スペックがかなり高いNINTENDO64の「スターフォックス64」やトレジャーと同じくグラディウスチームが開発した「アインハンダー」と負けず劣らぬクオリティだ。(3D描写の弱いといわれるセガサターンだというのに…)

見た目や攻撃バリエーションの豊富さは実際にプレイしてみないと分からないが、RSのボスには部位と本体が存在する。冒頭に「ボスの体力がなかなか減らね~」と愚痴っていたが、本体を攻撃すれば割とあっさりやられる。しかし部位を破壊することで破壊ボーナスが得られ、ボス撃破のスコアは全ての武器に振り分けられる。しっかり武器を育てようと思ったら基本は部位を全て破壊してボスを撃破せよというわけだ。

「じゃあ部位はしっかり撃破するだけだね」と思われるが、ここが本作の面白さのミソで、部位を破壊すればするほど攻撃が激しくなるボスが多い。もちろん部位を破壊すれば攻撃手段を失うボスも同じほどいるが。
それに部位を破壊し続けるということは激しい攻撃を持つボスを生かし続けるので生かし続けれるほどに撃墜のリスクは高まる。

残機が少なければ本体に集中砲火を浴びせてすぐにボスを蹴散らすか、いや後々苦労するから多少のリスクをおかしても部位破壊を狙うか…その自分の腕や残機を天秤にかける過程がとてもスリリングでゲームらしい駆け引きが楽しめる

願わくばチェインボーナスを思い切って撤廃して、ボスラッシュのような形で部位破壊による経験値は多めのモードなんかがあればよかったなぁと考えていた。

驚くべきことに武器の使い分けは壁や縦横無尽に動き回るボスの存在でいくら武器レベルが上がったところで「これだけ使えばいい」という状況になりにくく、ボススコアもバルカンやスプレッドに比べて使いづらいホーミングを成長させるうえではしっかり考えたほうがいい。

ストーリーモードを選べばアーケードにあった緻密なパターン要素を無視できる。だからといって本作の根っこにある面白さが全て台無しになるわけではなく、逆に本作特有の魅力をしっかり堪能できる点が素晴らしい。強化されるのはあくまで攻撃力だけなので避けや敵配置はしっかり覚える余地も残されている。

ちまちまスコアをあげて成長させてあとが楽になるという道のりは初代パルテナの鏡に近しいものがある。またちょっとずつ経験値をためて強くなって、ボスをあっという間に撃退して作業の成果に浸るという楽しみ方はRPGで日本人が親しみやすいゲーム性になっている。

今回のレビュー。ストーリーモードのベリーイージーを中心にプレイして、アーケードは一回したプレイしていない。逆にストーリーモードの欠点は二つある。

一つはコンテニュー回数ではなく残機がプレイ時間1時間につき1しか増えない点。プレイ時間というのは動かしている時間ではなくストーリーをはじめステージがはじまってポーズをかけてもカウントされるため、ぶっちゃけそのまま就寝して(本体設定で自動電源オフ機能は切ること)いれば残機はみるみる増えるがこれは虚しくなる。

もうひとつは1プレイあたり1時間ほどかかってしまうところ。アーケードでは選択できた分岐を全てプレイすることになる(そのためストーリーが分かりやすいのだが)。集中力は並みのゲーマーなら続かないだろう。だがレベルが引き継げるので高火力が多少の集中力の欠落をカバーしてくれる。

本作は信者とアンチの割合が非常に多いため、今回は公平にはなりきっていないがRSの面白い部分とあまり楽しめない部分を分けてレビューしてみた。「でもお前の評価はアーケードじゃないから正統ではないな」と言われるかもしれないが、ゲームは楽しめた者勝ち。基本システムの解説ばかりが多いため、ストーリーをプレイする面白さを伝えてみるのもよかろうと考えた結果だ。

もし、これからレイディアントシルバーガンを遊ぼうと考えている方、逆に放置している方はしっかりとストーリーを遊んでみてほしい。アーケードとは違う面白さ、アーケードと実は変わらない面白さに触れられると思う。STGを語る上では欠かすことのできない作品の為プレイ経験者はこれからもじわじわと増え続けることだろう。

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