ゲーム温故知新 第1回 コナミアーケードコレクションから学ぶゲームとリアルの折半

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今回は「ゲーム温故知新」と称して複数回にわたって、70年代~90年代を駆け抜けたレトロゲーム達を振り返るとと共に、ゲームの面白さはどこにあるかを改めて問い直したいと思う。

記念すべき第一回目は任天堂DSから発売、往年のアーケードゲーム15本を一本に収めた「コナミアーケードコレクション」を紹介していく。

コナミアーケードコレクション コナミ殿堂コレクション コナミアーケードコレクション コナミ殿堂コレクション
(2009/10/29)
Nintendo DS

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(廉価版が発売されながらも、品薄でプレミアが付き実際は3000中盤あたりで中古ショップに売られていることが多い。しかしながら、バーチャルコンソール計算で1本500と見積もっても充分に元が取れる内容だと思われる。)

コナミは現在、パワプロ、ウイイレといったスポーツゲームからMGS、悪魔城といった硬派なアクションゲームまでを取り扱っているが、大企業として今もなおゲーム業界で生き残っている背景を本作から垣間見ることができる。以下のジャンルに絞って考察してみよう。

STG戦争における位置取り

カプコン、コナミ、ナムコと30年以上続くゲーム関連企業は78年にタイトーがリリースした「スペースインベーダー」以降、繰り広げられたSTG戦争にていずれも一定の戦果をあげている。

本ゲームに収録されている作品をざくっと紹介すると

①スクランブル(1981)
・攻撃に対地(山なりに落ちていくミサイル)・対空(まっすぐに飛ぶバルカン)の概念を作る。後に縦スクロールシューティングのパイオニアである「ゼビウス」がこれを受け継ぐ。
・横スクロールのステージを一定距離進むことが目的だが、攻撃の意味を持たせるために燃料の概念を付加。地面に設置された燃料タンクを定期的に破壊しなければ墜落してしまう。

②タイムパイロット(1982)
・360度任意の方向に移動可能
・ショットボタン一回で3発のバルカンを撒く。これを利用して四方八方から襲いかかる敵を弾幕で寄せ付けないプレイが求められる
・障害物は一切なく(敵に接触すると撃墜)一定量の敵戦闘機を破壊することでボス敵が登場し、撃墜することで次のエリアに進んで行く

③ツインビー(1985)
・システムは縦スクロールに対地対空の概念を加えた「ゼビウス」タイプ。しかし、コミカル路線と「その場復活」「ベルによるパワーアップシステム」により差別化を図っている。

④グラディウス(1985)
・パワーアップアイテムを取り、弾幕を貼りながら敵を圧倒。しかし一つのミスでパワーアップが帳消しになるシステムと相まって、STGにおける「1ミスの命取り」を強く意識させた作品になっている。

前半の二作品は主にSTGの外枠(スクロール方式、操作系統)での拘りが感じられ、後半の二作は内枠(パワーアップシステム、世界観)を重視したものになっている。その変遷が功を奏し、コナミは他社よりも雰囲気や世界観を通して、ゲームへの没入感を深めるという現在のHDゲームが行っているような手法をより簡素かつダイレクトに施策していたのではないだろうか。


(アーケードコレクション未収録の作品もある)


(ざっとグラディウスの歴史を振り返る。ちなみに私は戻り復活が苦手である=下手)

スポーツゲームにおける没入感とゲーム性

もう一つ、国内ジャンルにおいてコナミのお家芸といっても過言ではないスポーツゲームを紹介したい。

①トラック&フィールド(1983)
・花形種目である100m走からハンマー投げややり投げなど陸上競技をゲームにした作品
・本格的にボタン操作を意識した作品。これまでは十字キーで位置調整してボタンを押して攻撃という作品が圧倒的に多かったが、本作では連打、押しっぱなしという操作を中心的に据えてプレイヤーの体力、動体視力も同時に試されるようになった。

②スーパーバスケットボール(1984)

・バスケットボールのオフェンスのみに着目した今プレイしても斬新な作品。
・ダブルドリブル、チャージングなどの専門ルールもしっかりと導入され「スラムダンク」を一通り読んだだけでもかなりなじめてしまう内容。とにかく「リバウンドは重要」
・1分という制限時間内にビハインドを取り戻す漫画チックな要素。この要素は後のパワプロシリーズにも脈々と受け継がれている。

③イーアルカンフー(1985)
・2D格闘ゲームのひな型を作った作品。当時としては圧倒的な16種類の技を持った主人公を操り(スティックの方向によって繰り出される技が異なる)個性豊かな敵を倒していく。
・残り体力がわずかになるとピンチBGMが鳴ったり、飛び道具に対してジャンプして隙をついて攻撃という概念はストリートファイターが昇華している。

代表的なスポーツゲームはこのあたり。この3作品の共通点として「音声合成を活用している」という特徴がある。

例えばトラック&フィールドでは、歓声のガヤをうまく作って目標のスコアをたたき出した際のカタルシスにつなげている。スーパーバスケットボールではファールが起きた際に審判が喋る。勝負に勝てば「ドアホー」に聞こえるが(ストⅡにおけるサガットのアイガーの例も忘れられない)「ブラボー」と選手が上半身裸になって騒ぐ。

音声合成をうまく活用して、あたかもプレイヤーが表舞台に立ってスポーツをプレイしているような臨場感を再現しようと試みている。クラシックから引用したけたたましいBGMをリフレインさせることよりもより効果的にゲームへの没入感を助けている。

次にトラック&フィールドでも触れた「ボタン操作の拡張」である。
タイミングよくボタンを押す、話す、連打するという行程を要求することによって、多少操作は複雑になり動体視力を要求されるものになった。一方でこうしたゲームが数多く登場したことによってゲームの可能性がますます広がったという見方ができる。スーパーバスケットボールを皮切りに野球・サッカーゲームを作ることができたのだから。

そして、イーアルカンフーは2D対戦格闘に多大な影響を与えている作品だ。スティックの方向によって繰り出される技が異なる。一見複雑なシステムだがキャラの下に今プレイヤーがどの方向キーを押しているか視覚的に表示されることで溶け込みやすくなっている。

当時、現在ほどボタンやスティックの数が膨大な量ではなく、「限られたスペースをどう埋めるか」というゲーム製作行程だったからこそ生まれた知恵が凝縮されている。スーパーバスケットボールはわずか3ボタンしか使わないがしっかり「バスケットボールしている」感覚に浸れる珠玉の名作だといえる。

様々なジャンルを包括するため、多少雑感気味になってしまった。
コナミアーケードコレクションは臨場感を意識しているが、現実にある煩雑さを極力までそぎ落として達成感や快感だけをゲームに綴じ込める方法をしっているのではないかと思うほどに優れた「ゲーム」が数多く収録されている。

ゲームにおける臨場感は「雰囲気」ではなく「理由づけ」が大きい。なぜボタンを連打するのか?敵戦闘機を落とさなければならないのか?。単に本当の景色をそのままゲームに反映することが没入感につながるわけではないのではないだろうか。

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