今プレイしても面白いゲームアーカイブス 風のクロノア

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1997年、PS中期にナムコから世に送り出された王道の横スクロールアクションゲーム「風のクロノア」
後にシリーズ化を果たし、ナムコの看板キャラとして他作品のゲストも務めることになったクロノアシリーズの処女作を紹介する。

風のクロノア PlayStation the Best for Family 風のクロノア PlayStation the Best for Family
(1997/12/11)
PlayStation

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(新鮮味はないが、それゆえに堅実で安定感がある。最近のゲームでは忘れかけていた、ゲームシステムを自分で理解して上達していく過程をしっかりと感じさせてくれる。温かみあるキャラや世界観とは裏腹に計算された難易度調整やシステムは職人気質を感じさせる)

ナムコレクション ナムコレクション
(2005/07/21)
PlayStation2

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(ちなみに、紹介する作品の中にはアーカイブス形式ではなく、PS2の復刻や中古でソフト本体を購入してレビューするものも含まれていることをご了承いただきたい。今回は、「鉄拳」「リッジレーサー」「エースコンバット2」「ミスタードリラー」とともに収録されたナムコレクションから本作をプレイしている)

温故知新を感じさせる絶妙な難易度
本作は、初心者から上級者まで遊び方によっては、プレイ難易度を変えられるような非常に丁寧な作りになっている。

(TAS動画であっても、簡素なアクションで構成されているため、ゲームの魅力がしっかりと伝わる)

操作自体は、ジャンプと攻撃の基本操作を覚えるくらいで、ステージが進むごとにそれらを複合的に扱って突破していく。
ゲームによるパワーアップではなく、自分の操作向上をしっかりと感じられる作りになっている。

そして、SFCで極まった横スクロールアクションのシステムを「やりがい」として継承しつつ、ユーザーフレンドリーなPS時代の「親切設計」を組み合わせ、万人に勧められる良作として昇華させている。

例えば、今の横スクロールアクションに比べると、ダメージを受けた後の無敵時間がやや短い。
そして、しっかりとノックバック(ダメージを受けると後ろにのけぞる)による落下ポイントも存在する。

逆に、体力はハート3つ。だが敵の体当たりを食らってもハートが半分欠けるだけで実質は6つあると考えても差し支えない。とても多いように見えるが、無敵時間の短さと体力回復アイテムの設置数が中盤、若干少ないため達成感はしっかりと残されている。

また秀逸なのは、泡で包まれた時計のチェックポイント。
泡を攻撃して壊せば、時計が鳴って、チェックポイントとして認識し、そのあとで失敗してもチェックポイントから始められる。

チェックポイントの設置数は絶妙で
かなり手前に戻されるほどストレスがたまらず、常にワンセッションごとに置かれているほどユーザー寄りでもない。
普通に取っていけば、失敗してもやり直そうという気概を起こしてくれる。

初回プレイや、ゲーム初級者はチェックポイントを多用してもいいが、泡を壊さなければチェックポイントとして認識されないため、中級者以上は、チェックポイントを取らずにプレイを継続なんてこともできる。

やりがいのあるSFC時代のアクションゲームとユーザーフレンドリーなPS時代のアクションゲームの一見矛盾した要素を見事に統合してしまっているのが、このクロノアである。

敵を足場として利用する無駄のなさ

クロノアは基本的に2D横スクロールのアスレチック形式のアクションゲームで、足場を進みながら決められたゴールを目指すという昔懐かしの流れをくんでいる。

しかし、本作の特徴として、敵を捕まえて敵を足場としてジャンプしたり、他の敵に投げつけるというアクションを取ることが出いる。

これによって、これまでアスレチック形式の作品における敵はただの「障害物」で厄介な存在だったが、クロノアでは「貴重な足場」「攻撃手段」として欠かせない存在となる。

敵を足場やスイッチ起動の投てきに利用するため、他作品のアクションゲームに比べて画面が簡素で見やすくなっているのも長所にあげられるだろう。

分かりやすいジャンプアクション

アスレチック形式のアクションゲームで最も肝要なのは
「ジャンプアクションのレスポンス」
これに尽きるだろう。

例えば、横スクロールのメジャータイトルであるマリオや悪魔城ドラキュラなどは、シリーズが進むごとに滞空中の軌道を自由にプレイヤーが変えられるように調整を施している。

これによる不用意なジャンプによる失敗は幾分減少されたし、プレイヤーの技量でクリアできるという手ごたえを得やすくなった。

それ以降、多くの特徴的なジャンプアクションを有した作品が世に出ている。
カービィシリーズは、ジャンプしている間にジャンプボタンを推すことで、ふわふわと上昇しながら宙を舞う。急速な落下が起こりにくいためミスは少ない。

ヨッシーシリーズのふんばりジャンプは、急上昇するが、勢いがつきすぎて挙動を制御することが難しいが、揺れ動くヨッシーをうまく操作することで快感を得られた。

クロノアの場合は、ジャンプボタンを押し続けることで、およそ一秒ほど耳をはためかせて滞空する。
カービィと違って、その場を数センチだけがまんして滞空するのだ。
感覚としては、スーパーマリオUSAのピーチに近いかもしれない。

ピーチ
引用サイト ちなみに敵を持ち上げて投げつける武器とするという概念も似通っている。ピーチはゆったりとしたドレスを利用して1,5秒ほど滞空する。そのため、非力ではあるが操作がしやすいキャラだった)

若干の滞空時間が設けられることによって、プレイヤーは余裕を持ってジャンプ後の足場を確保できる。もちろんしっかり、滞空を使わなければ進めない足場が後半登場するが、後半になるころには、ある程度クロノアをうまく動かせるようになっているだろう。

唯一の欠点である奥行き表現

唯一、風のクロノアに欠点があるとすれば、3Dならではの「奥行き」の概念を表現したことだろう。

持った敵を画面手前に設置されたスイッチや、奥に構える敵に投げつけるというアクション(特に最終ステージは奥に投げるうまさが要求される)に距離感のつかみづらさがあげられる。

また足場もポリゴン表現でどれがキャラクターが乗れる足場か判別しやすいという利点があるが、奥行きが表現されることによって、例えば
「あの奥に見える橋はどうやったらいけるのか?」
「リフトに乗ろうと思ったら手前のラインに移動して落ちた」
という状況に陥りやすい。

純粋に世界や敵、攻撃のエフェクトだけをポリゴン化しても良かったのではないだろうか。こればかりは、斬新さを求めてほしくなかったという心残りはある。

悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲
(1997/03/20)
PlayStation

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(偶然だがこれも1997年。N64では3Dアクション物を出して不評を買ったが、PSで発売された月下の夜想曲は、ステージクリア→探索型のフルモデルチェンジを行いつつも、クオリティの高いBGM、気持ちの良いSE、滑らかな2D表現が相乗してシリーズベストと挙げる人も少なくない。ちなみに、この作品はクロノアとは逆で、ゲームシステムが快適になっていくこと(ステータスアップや武器の強化)でプレイヤーが快感を得やすくなっている作りである。)

2D横スクロールアクション

現在、マリオ、ソニック、ロックマン。
横スクロールアクションを代表するシリーズが、最新機種、ダウンロードなどの形態で複雑化した3Dアクションを再構築するように横スクロールの純粋な作品を最新作として投入している。

横スクロールアクションは、なんといってもとっつきやすい。
「鍵をとる」「決められた敵を倒す」「住民と話をしてフラグをたてる」
というわずらわしい過程は、皆無で純粋に開発者が用意したお題をこちらが解く構成になっている。

だが、純粋だからこそごまかしが効かないジャンルでもある。
「ジャンプ操作のスムーズさ」
「敵の位置調整」
「初心者救済」などなど…

多くの人々が触れる普遍的なジャンルだからこそ、数多の作品が登場したが、シリーズ化、印象化している作品は数えるほどしかない。

クロノアは1997年と、時代が3Dアクションへの移行を模索する中、もう一度、2D横スクロールの素晴らしさを提起した重要な作品だ。
2D横スクロールアクションゲームの魅力が本作に全て詰まっていると言いきってもいい。
アーカイブスでアクションゲームがしたいと迷っているならば、迷わずダウンロードすることを勧めたい作品でもある。

本作をクリアすれば、温かみのある世界観以上にプレイして上達していった過程が大切なゲーム体験として刻まれていくだろう。

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